稲田清英
2014年6月10日10時29分
労働時間と関係なく成果に賃金を払う制度について、経団連の榊原定征会長は9日の記者会見で「少なくとも全労働者の10%程度は適用を受けられるような制度にすべきだ」と述べた。厚生労働省は対象者を極力絞りたい考えだが、より幅広い働き手を対象にすべきだという経済界の「本音」を示したものだ。
労働時間規制の緩和は、榊原氏もメンバーである政府の産業競争力会議で検討している。労働界には働き手が「残業代ゼロ」で長時間労働を強いられるとの懸念が強く、どこまでを適用対象にするかが焦点となっている。民間議員の長谷川閑史・経済同友会代表幹事は「将来の幹部候補や中核人材」などとしているが、厚労省は「世界レベルの高度専門職」に限る考え。
榊原氏は会見で、「本人の同意が前提だが、時に夜を徹してもやるべき作業がある研究技術職やマーケティング関係などの専門職は新しい働き方を希望している。キャリアアップを望む女性もそうだ。企業にとっても生産性があがる」と強調。「厚労省が言うような人は日本に何千人もおらず、まったく意味がない」とした。
労働時間と切り離された新しい働き方の導入は政府が6月中にまとめる成長戦略に盛り込まれる見込み。(稲田清英)
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞官邸クラブ
PR比べてお得!