成長戦略:工程表原案「外国人高度人材」20年代に1万人

毎日新聞 2014年06月10日 06時45分

 政府が月内にまとめる成長戦略で、分野ごとの目標やスケジュールを盛り込んだ「工程表」の原案が9日、明らかになった。労働力不足を解消するため、外国人労働者の受け入れ拡大策を省庁横断的に検討する「司令塔」を2015年度までに設置するとともに、いつ、どんな具体策を策定するかの方針を示した。

 安倍晋三首相は4月、経済成長維持などのため、外国人労働者の受け入れ拡大を指示。工程表では、今年末までに▽海外子会社などの製造現場で働く外国人の国内受け入れ▽国家戦略特区で家事支援人材の受け入れ▽特定の国家資格を取得した外国人留学生に就労を認める制度−−などを具体化すると明記。製造業などに限られている技能実習制度では、対象職種の拡大などを来年度までに検討する。

 大企業の管理職や研究開発の技術者などを念頭に置いた外国人の「高度人材」については、今年度中に受け入れ拡大策を検討し、20年代に現在の10倍程度の1万人を目指す方針を提示。観光分野では、訪日観光客を増やし、「30年に宿泊客の約6人に1人が外国人となる社会を目指す」とした。農業改革では、酪農業の成長産業化を目指し、今年末までに詳細な制度設計を決める。【小倉祥徳】

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