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 政府の原子力災害現地対策本部は9日、東京電力福島第一原発事故で住民の避難が続く福島県・浜通り地域の復興を目指す「福島・国際研究産業都市構想」の骨子案を公表した。第一原発の廃炉を地域の産業の柱とし、作業員らを積極的に受け入れる必要性を訴えた。

 福島県の自治体の首長らでつくる同構想研究会で骨子案を示した。事故で仕事や雇用が失われた浜通りには「産業基盤の再構築」が求められるとしたうえで、今後30~40年にわたる廃炉作業を円滑に進めるため、約5千人の作業員・技術者や溶け落ちた燃料や災害対応ロボットの研究などに数百人の研究者が必要とした。自治体は、これらの「新住民」を積極的に受け入れ、帰還する地元の住民と一緒に中長期的なまちづくりを進めるべきだ、と打ち出した。東京五輪が開かれる2020年を再生の当面の目標とする考えだ。(永野真奈、編集委員・大月規義)