マーシャル諸島の海岸浸食で遺骨20体出現、旧日本軍兵士か
AFP=時事 6月9日(月)16時28分配信
【AFP=時事】(一部更新)気候変動に伴う海面上昇による海岸浸食が問題となっている太平洋の島国マーシャル諸島で、海岸沿いの小さな墓地が海水に浸食され、第2次世界大戦中の旧日本軍兵士のものとみられる約20体分の遺骨がむき出しになっている。日本とマーシャル諸島の政府高官が9日、明らかにした。
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日本政府高官によると、マーシャル諸島政府からエニブール(Enniburr)島の海岸で約20人分の人骨が見つかったと連絡があった。遺骨は日本人兵士のものと思われ、海岸沿いの墓地が波に浸食されたため土中から出現したという。
この高官は、日本から調査団を派遣することになるだろうが、エニブール島は米軍管轄下にあるため具体的な計画はまだできていないと述べた。
■しょうゆ瓶や日本の貨幣も
一方、マーシャル諸島政府歴史保全局(Marshall Islands Historic Preservation Office)のマイケル・ターレップ(Michael L. Terlep)考古学室長は、AFPの取材に「見つかった遺骨は18〜40歳の男性のもので、アジア系の遺伝的特徴が強いようだ」と語った。
同室長によれば、遺骨が発見された場所ではしょうゆ瓶や軍服のボタン、日本の貨幣などが見つかっているほか、米軍がエニブール島北部で旧日本軍の兵士と戦ったことを示唆する史料もあるという。
20を超える環礁からなるマーシャル諸島は、国土の大半が海抜1メートル程度しかなく、海面上昇の影響が深刻だ。以前は安全だった陸地が海岸浸食の脅威にさらされており、近年は海面が最も高くなる2月〜3月に海岸が大きく削られ、墓地や家屋が損壊する被害が相次いでいる。
国連(UN)の「気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)」は3月、「島しょ国が多い太平洋南西部では1993〜2009年に海面が世界平均の4倍のペースで上昇した」との報告書を発表し、海岸浸食の進行に警鐘を鳴らしていた。
マーシャル諸島は、第1次世界大戦中の1914年から第2次世界大戦末期まで日本の統治下にあった。その後、米国の統治を経て1986年に独立したが、今回遺骨が見つかったエニブール島があるクエゼリン環礁(Kwajalein Atoll)など一部は今も米軍の管轄下にある。【翻訳編集】 AFPBB News
最終更新:6月9日(月)20時21分
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