光州=東岡徹
2014年6月9日23時21分
韓国南西部・珍島(チンド)沖で起きた旅客船沈没事故で、京畿道安山市の檀園(タンウォン)高校の日本語教員、ユ・ニナさん(27)の遺体が8日、見つかった。左手につけていた指輪が交際していた男性とのペアリングだったため、父チンスさん(57)と兄コンウさん(30)は本人に間違いないと判断した。
ニナさんは幼いころから日本が好きで、九州に留学したこともあった。今年は日本語を教える傍ら、2年生の担任もしていた。遺体は8日午前、船の3階の中央食堂で見つかった。ニナさんは事故当時、最上階で逃げやすい5階にいたが、生徒を助けるために下の階に向かい、そのまま犠牲になったとみられている。チンスさんは9日、朝日新聞の取材に対し、「遺体が見つかって少し気が楽になった。ほかの行方不明者たちも早く家族のもとへ戻ってほしい」と話した。コンウさんによると、事故がなければ、ニナさんは今年5月にも友人と日本を旅行する予定だったという。
事故は16日で発生から2カ月を迎える。9日現在、事故の犠牲者は292人、行方不明者は12人。引き続き、捜索活動が行われている。
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朝日新聞国際報道部
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