若者の自殺が深刻だ。政府の2014年版自殺対策白書によれば、自殺者は2年連続で減少したが、若者に限っていえば自殺が高水準のままだ。15~39歳の死因は自殺が1位で、20代では死因全体の5割近くが自殺となっている。
出生率も上がらず、このままでは日本から若者がどんどんいなくなってしまう。若者を自殺に追い込む理由は何なのか。自殺対策に取り組むNPO法人「ライフリンク」代表の清水康之氏は言う。
「自殺の原因は単純ではなく、生活苦や過労死、いじめなどさまざまですが、若者の場合、生きる意欲がそがれている面があるように感じます。就職活動に関して行った調査では、5人に1人が<本気で死にたい・消えたいと考えたことがある>と答えています」
■先進7カ国最低
実際、2014年版子ども・若者白書では「自分の将来に明るい希望をもっている」という答えが、日本は61.6%で先進7カ国中最低だった。なぜ将来に希望が持てないのか。精神科医の和田秀樹氏の分析はこうだ。