受付を訪れた二人。母60くらい、娘30半ばくらい。
いつの間にか現れ、二人の左斜め後方5メートルくらいの距離で視線をそらし佇む60くらいの男性が父。
「(?)…こんにちは」
「戌の日の安産祈願をお願いします」(娘が持ってきた腹帯を置く)
「〇都〇区」
「(ここから何百キロ離れてるよ)はい、続けてお名前ですが、まずご主人様のお名前からお伺いします」
「いません」
「(えっ)」
ここで二人の顔をまじまじと見てしまうとアウトなので、目は依然伏せたまま、声はあくまで平板に、態度はごく事務的に。間も取らない。
娘と母は平然としてるが、父の態度の方が普通だろう。
というか正直な人なんだか全力で弁解したいんだか、とにかくでかでかと顔に書いてある。
察するに、家族会議になって怒ったり難色を示したりしたけど、妻と娘に産むって方向でまとめられ、本当は嫌なんだけど引きずられて来たってとこか。常識人だ。
「では奥様のお名前をお伺いします(奥様じゃねえけどな)…はい、予定日お伺いします」
「〇月〇日」
「(だいぶ先だな、どんな家族会議して安産祈願て結論に至ったんだか)はい、ではこちらにお住まいの方は以上で宜しかったですね?」
「今は一人暮らしですけど…」
この答え方をする人は過去に何人もいたが、例外なく不機嫌さを感じており、まとめると「現在一人暮らしであることを自認する事に何らかの抵抗がある人」。このときのニュアンスは、「もう別れて完全に終わってそれほど間がありません」かな。
「(いや必要だから訊いてるだけでプライバシーに突っ込む気はねえよ)はい、ではお連れ様の、お母様とお父様のご住所とお名前を」
「〇市〇町」
「(地元だな、親元帰って産んでシングルマザー路線か)はい、では以上で宜しいですね?」
その後何事もなく祈願を受けて帰った。
父 親 を 見 習 え 。
も う 少 し 肩 身 狭 そ う に し ろ よ 。
日 陰 者 っ て 自 覚 を 持 て 。
皆見てるし聞いてるぜ?
以上。
楽しそうに釣るね。
そうそう、この反応が欲しかった 何を書いても釣り扱いされるから、逆に、誰にも言えない本音を書いたって釣りになる 人の足しか引っ張らねえ寺社仏閣板のクソねらーどもと違って特...