同社が全国の書店に推薦図書コーナーの開設を促したところ、全国で100店以上の書店が賛同した。日本全国に店舗を持つ「紀伊国屋」「丸善&ジュンク堂」などの大型書店も参加を表明した。今年の初め、書店1階に嫌韓の本を集めたコーナーを設け、批判を受けた大型書店である三省堂書店は、今回の行事に参加しなかった。
「ヘイトスピーチと排外主義に加担しない出版関係者の会」もこのほど設立された。この会はシンポジウム「『嫌中憎韓』本とヘイトスピーチ-出版物の『製造者責任』を考える」を来月開催する予定だ。出版界が商業主義・愛国主義に便乗し、質の低い本を発行することを反省する内容だという。
このところ強まっている嫌韓・嫌中ムードは、日本の出版界の財政難に端を発するというのが一般的な見方だ。世界最大の市場を誇る日本の出版業界だが2000年代以降は危機に陥り、昨年の書籍・雑誌売上高は1兆6823億円と、1996年の2兆6563億円に比べ約1兆円減少している。このため出版不況脱出の手段として嫌韓・嫌中本の出版が相次ぎ、12年末に安倍晋三政権が発足してからは日本社会の右傾化により出版傾向の一つのトレンドとして定着した。
評論家の室谷克実氏は著書「呆韓論」で、根拠もなく韓国を「空き缶のような国」「恥を知らない国際非常識国家」とさげすんでいるが、30万部以上売れた。ヘンリー・S・ストークス氏の「英国人記者が見た連合国戦勝史観の虚妄」という本は「南京大虐殺は中国が捏造(ねつぞう)した宣伝であり、慰安婦はすべて売春婦」という内容でベストセラーになった。雑誌はさらにひどい。月刊誌「歴史通」の最新号表紙には「自沈する韓国」「狂暴・中華帝国」など、韓中を同時に非難する見出しが躍っている。このような現象について、東京新聞は「日本は過去20年間の長期低迷で自信を失ったため」という見方をしている。