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 >   > 緻密な戦略で成り上がった矢沢永吉に見る驚異的な「ビジネス力」

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『YOUR SONGS5』矢沢永吉

 日本の音楽界では近年、ベテラン勢の活躍が目立っている。デビュー20周年、30周年を迎える歌手やバンドも増えてきた。その中でも、2009年もっとも注目を集めているのは、還暦という節目を迎えるYAZAWAこと矢沢永吉。今年6月にはニューシングルを発表する一方、9月には東京ドーム公演を控えている。

 音楽的な才能に加え、名著『成り上がり』などで披露した男気あふれるキャラクターなども相まって、カリスマ的人気を誇ってきた矢沢永吉。98年には身内による横領事件で約35億円の借金を背負うも、わずか10年足らずで完済するなど、音楽関係者の間では、そのビジネス的な手腕も高く評価されている。

「矢沢さんのビジネス面における成功要因は、大きく見て2点あります。まずは、原盤権等の権利を自らの手で管理してきたこと。よくも悪くも"音楽バカ"の多いロック界では、こうした権利関係に無頓着な人が多く、矢沢さんはまさに著作権ビジネスの先駆者でした。もう一つは、コンサート時の定番商品である"YAZAWAタオル"に代表される、ファン向けグッズ販売で大成功を収めたことです」(レコード会社関係者)

 音楽著作権と、グッズ販売等に関わるマーチャンダイズ権といえば、今の音楽界ではビジネス的成功を左右する重要なキーワード。特にグッズ販売については、CD不況の今、多くの歌手やバンドにとって主要な収入源にさえなっている。そのため、「レコード会社と所属事務所の間で、グッズ販売収入の分配をめぐってモメ事が起きることもある」(前出の関係者)。その点、矢沢永吉は20年以上も前から"YAZAWAブランド"から派生する様々な権利を一手に管理することで、安定した収入を得てきた。

「矢沢さんの場合、出したCDが100万枚売れるわけではありません。しかし、CDをそれなりに売り上げ、コンサートツアーで1枚5000円のYAZAWAタオル等を販売すれば、莫大な収益が上がる。不況の今こそYAZAWAに学べ、と説くレーベル関係者も少なくありません」(前出の関係者)

 海外では、ミック・ジャガーやマドンナなどを筆頭に、ビジネス面で才覚を発揮するアーティストは珍しくない。権利ビジネスの側面を強める日本の音楽界において、今後、ビジネスカリスマ・矢沢永吉の動向に改めて注目が集まりそうだ。
(文=玉井光太郎)


YOUR SONGS5 [Maxi]


成り上がれ。


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