「不登校」ドイツでは「罰金」も…「引きこもり」「ニート」、両国の悩み:イザ!

2014.6.8 15:37

「不登校」ドイツでは「罰金」も…「引きこもり」「ニート」、両国の悩み

 学校にも通えず、地元に戻って親のスネをかじって昼夜逆転の生活を過ごしながら、「どうしてこうなってしまったのか」「どうしたらいいのか」などと自問自答を繰り返し、気分は鬱々としていった。だが、そんな息子を両親は温かく見守り続け、支援施設を探してくれた。そうした周囲の人々に支えられ、変わることができた。

 自分の殻に閉じこもってしまう人にとって、悩みを相談できる存在があることはとても大きい。

 もともと日独教育指導者らによるセミナーは昭和29(1954)年、民間レベルでの交流から始まった。若者の教育や就職、自立などについて両国間で研修や意見交換を重ねていく中で、47年には日独両政府が主催する現在の形に。教育指導者同士が交流することで、指導者としての資質や能力の向上を図ろうと開催されている。

 今回開催されたセミナーの“成果”は今後、両国の政策レベルでも生かされる可能性があるという。背景や状況は違っても、国の未来を担う若者の支援は世界共通の問題だからだ。

 ドイツが苦慮している移民や貧困と不登校という「負の連鎖」は近い将来、日本が直面する課題になるおそれもあり、決して「対岸の火事」では済まされない。今後もこうした交流を通じて、さらなる効果的な支援が進められることが望まれている。

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