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豪華版“夢の一皿” 大人のお子様ランチ人気

2014年6月1日

 電車や飛行機の形をした皿に、旗付きのつまようじを刺したオムライスやハンバーグといった子どもの大好物がギュッと詰まったお子様ランチ。定番商品をぜいたくにして「大人の〜」といった商品がブームになっている中、大阪市内のホテルや百貨店では大人向けのお子様ランチを提供するレストランが増えている。

デリポートの「大人のお子様ランチ」

 お子様ランチは、1930(昭和5)年に東京・日本橋の百貨店の食堂が当時の人気メニューを一皿に集めたことから始まったなど起源には諸説あるが、昭和を過ごした少年には懐かしい“夢の一皿”。各店は、おまけにおもちゃを付けるなど子どもの興味を引こうと試行錯誤。サンプルを並べたウインドーでは、ひときわ目を引く存在だった。

 この懐かしいお子様ランチは近年、菓子などに大人向けの商品がヒットしていることや、ワンプレートでの食事が流行していることから、各レストランで趣向を凝らし、大人向けに仕上げて提供するレストランが増えている。

 このうち、ホテルグランヴィア大阪(大阪市北区)のカフェレストラン「リップル」はことし1月から、オマールエビやビーフシチューなど本格的な食事を味わえる「大人のプレート〜なつかしのお子様ランチを少し豪華に」(税込み2200円)を開始。当初はランチで注文する主婦が多かったが、次第に女性会社員や男性会社員、男女がデートのためディナーで楽しんでいる。

 順調に注文が増え、当初の予想を大きく上回る4倍の月約400食が出ているといい、担当者は好評な背景に「乗っている料理を一品ずつ頼むよりも、このプレートにすることでお得感を感じてもらえているのでは」と推察している。

 また、百貨店「JR大阪三越伊勢丹」(大阪市北区)内のビアホールレストラン「デリポート」は2011年から取り組んでいる先駆け的存在。百貨店の食堂を思い出して懐かしんでもらおうと提供している「大人のお子様ランチ」(税込み1620円)は、子どもが大好きなエビフライやから揚げが乗っており、同店で1位、2位を争う人気メニューだ。

 客層は高齢者や主婦など幅広く、中には親子が注文し、好きな一品を分け合って楽しむ姿も。同店の担当者は「ネーミングで興味が引かれるのとともに、少量多品目なことが現代の需要に合っているのだろう。多くの人に喜んでもらっている」とお子様ランチに手応えを感じている。