ベンチャー支援:政府 大企業と連携促進

毎日新聞 2014年06月08日 14時02分(最終更新 06月08日 17時31分)

世界トップ2000社のうち、1980年以降設立企業(金融を除く)の日米比較
世界トップ2000社のうち、1980年以降設立企業(金融を除く)の日米比較

 政府が成長戦略に盛り込むベンチャー支援策の全容が7日判明した。ベンチャー企業と大企業が連携して新規事業を創造する「ベンチャー創造協議会」(仮称)や、後継者不足の企業と創業希望者を橋渡しする「後継者人材バンク」(仮称)の設置が柱。「ベンチャー企業が経済をけん引する米国と比べ、日本の『起業力』は劣っている」との見方が多く、政府は「起業大国」の実現を成長戦略の目玉施策にしたい考えだ。

 パソコンや検索エンジン、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)など、ライフスタイルを大きく変えた近年のイノベーションの多くは米国のベンチャーが発祥。経済誌「フォーブス」が世界の有力企業を売上高や時価総額などでランキングした世界のトップ2000社(2013年)をみても、1980年以降に設立された米国企業が154社ランクインしているのに対し、日本は24社にとどまっている。安倍晋三首相は「日本を米国のようにベンチャー精神のあふれる『起業大国』にしていきたい」として、「異次元のベンチャー支援策」を成長戦略に盛り込むよう指示。経済産業、財務、文部科学、金融の各省庁で関連施策を検討してきた。

 今回の施策の柱はベンチャー創造協議会。これまではベンチャー企業そのものに焦点を絞った支援策が多かったが、協議会はベンチャーだけでなく大企業も対象に加え、両者の「出会いの場」とする。大企業との連携をベンチャーの事業拡大につなげるほか、創造力豊かなベンチャーから刺激を受けることで大企業が「ベンチャー化」し、新たな事業分野への進出を促す狙いもある。協議会は、自由な意見交換・交流を行う「サロン形式」で運営する見通し。全国のベンチャーや大企業、経済団体などが業態の枠を超えてイノベーションを模索する。

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