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LCC、パイロット不足で欠航続発 ピーチ2千便、バニラ150便

(06/08 14:59、06/08 21:21 更新)

10月下旬までに2千便超の欠航を見込むピーチ・アビエーションの機体=2012年3月、新千歳空港

10月下旬までに2千便超の欠航を見込むピーチ・アビエーションの機体=2012年3月、新千歳空港

 格安航空会社(LCC)のパイロット不足が深刻だ。病欠などが相次ぎ必要な運航態勢が確保できないとして、関西空港を拠点とするピーチ・アビエーションが5月以降10月下旬までに2千便を超す欠航を見込むほか、全日本空輸グループのバニラ・エアも今月、約150便を欠航する。人員を抑え、経営効率を高めることで低価格を実現するLCCだが、高まる需要にパイロットの確保が追いつかず、ビジネスモデルの課題が浮き彫りになっている。

 ピーチは、5月から夏ダイヤが終わる10月25日まで、新千歳―関西など国内・国際線2128便が欠航する見通し。バニラは今月、新千歳―成田線など国内線154便を欠航する。

 いずれも原因はパイロット不足だ。ピーチ社は機長52人のうち、8人が病気などで長期欠勤し、新規採用も計画を下回った。さらに8月から機長となる予定の訓練生も2人退職したという。バニラ社は機長の退職が相次ぎ、運航に必要な26人を確保できなくなった。経費節約で両社とも余剰人員をほぼ持たないという綱渡りの態勢が裏目に出た。

 LCCは、大手航空会社の半額以下になることもある格安運賃を武器に需要が拡大。2012年3月の国内LCCシェアは0・9%だったが、今年3月に7・5%にまで上昇した。こうした中、国土交通省によると、22年には6700〜7300人のパイロットが必要で、年間200〜300人を新規採用していく必要があるという。(東京報道 合津和之)<北海道新聞6月8日朝刊掲載>

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