栄光への道のり

羽生結弦くんの応援ブログです。ここで記載されている内容はあくまでも私の個人的な意見であり、正当性を評価したものではありません。どのように受け取るかはそれぞれがご判断ください。

【雑感】悪魔との契約  〜高橋大輔の選択に思うこと〜

時間が経って感じたこと。
敢えて、これを書こう、という思いだった。
ゆづファンであるにも関わらず。

それくらい、心に引っかかる出来事だったから。

全日本選手権を経て、ソチへいくメンバーが決まった。
ゆづ、まっちー、そして大ちゃんの3人になった。
物議を醸す選択だった。

明らかに選考基準に則った選出だったのに、なぜ、ここまで、物議を醸したのか。
そう、選考基準で、救済したい選手が決まっていたからに他ならない。

選考基準そのものに意図があることはこの基準が出た時に私は感じていた。
これは、ゆづと大ちゃんに何かあったときの救済のためのルールだと、わかっていたから。

これを見た私の感想は、ゆづがこの最後の選考でソチに行くのは、本人が一番納得いかないだろうな、ということ。
そして、そんな彼を私も見たくないと思っていた。

さらに、シンボルアスリートに選ばれたのを聞いたとき、ふと、背筋が寒くなった。
もちろん、彼がスケートをやりやすくするために金銭的な援助は必要だとわかっているけど。

ゆづ、それは、悪魔との契約だ。
手を出しちゃダメだよ、と心の底では思っていた。

思いのほか、SAの仕事で選出を匂わせるような、目立ったものはなかったから、ちょっとホッとしていた。


もうひとり、その悪魔との契約に手を出したのは高橋大輔だった。
彼が「ソチを目指す」と言ったことで、それを利用しようとしたたくさんの怪物に彼は飲み込まれて行った。
まだ、代表にも決まっていなかったのに、決まったかと思わせるようなCM、特集番組、メディアへの露出度、本やDVDの発売。
今である必要があったのか?
決まってからではダメだったのか?
そう思ったのは私だけじゃないはず。


彼や彼のチームには勝利の算段があったのだろう。
先シーズン、いや、2012年までは。

もちろん、ゆづの存在は気になっていただろうし、負けたくないと思っていただろう。
でも、日本にはオリンピック出場枠は3つもある。
(まさかあの世界選手権で3枠が怪しくなるなんて思いもよらなかっただろうし)

ゆづがオリンピック枠を持って行くことは許容の範囲だったはず。
そう、余裕で枠取りができるはずだった。


そう考えれば、行動も選択も納得がいく。


ところが、2013年に入ってから、急激に旗色が悪くなり始めた。
四大陸で惨敗、ワールドでも台のりできなかった。
そして、迎えたオリンピックシーズン。
スケートアメリカでの戦績。

「このままではまずい」と思った人がたくさんいたに違いない。

しかもこのスケートアメリカでは格下だと思っていたまっちーが恐ろしい進化を遂げて結果に繋げた。
ただの勝ちではなかった。
PBを恐ろしく上げての勝利。
これは何を意味するか?を敢えて書く必要はないだろう。
その結果があのN杯に繋がって行くのだから。


あのN杯に一切の思惑はなかった、と言われても納得はいかない。
陰謀論は基本的には好きじゃない。
だけど、世の中が白と黒でわけられると思うほど、ガキでもない。
特にこの国では大きなお金が動く時、倫理は簡単になりを潜める。

悪魔との契約は途中で破棄することはできない。

彼が一番、辛い重荷を背負ったんじゃないか、とふと、思っていた。
最初からこの戦いで、彼に負けることは許されていなかったのだから。
何が何でも「ソチ」に行くことを外堀から固められて、決められていたのだから。


辛うじて手に入れたGPFの切符を怪我で手放した時、どんな気分だったんだろう。
ゆづが、織田君が、台乗りする姿をみて、どんな思いがよぎったのだろう。
彼はどんどん追い詰められて行ったのではないか、と全日本の公式練習でのピリピリした空気をみて感じていた。


私は高橋大輔のファンではない。
けれど、全日本で私は祈った。
せめて、台乗りしてくれと。
そうでなければ、苦しい選考理由で選ばれソチに行く羽目になる。
すでに重すぎる荷物を背負っているのに、そこに、何が加わるのは、あまりにも悲劇だ。


でも、SPから、ジャンプは決まってなかったし、最後はスピンでもフラフラしていた。
FSが滑り切れる気がしなかった。
クワドを入れようが、入れるまいが、他のジャンプを全て飛び切れるとは信じられなかった。

なんとか、彼はFSを満身創痍で滑り切った。
でもね、あれで170点が出るとは、ね。
ナショナルは基本、盛り盛り傾向だけど、それでも、どうか?というレベル。


それが、日本のスケート連盟の選択。
そりゃ、満場一致だよね。
シナリオ、出来てたんだもん。


小塚くんも、織田くんも最後まで頑張ったからソチに連れてってあげたかった。
私にできることなら。

でも、本人たちはわかっていたはず。
実質、枠は1つだったと。

いつも、崖っぷちと言っていたまっちーが、よりそれを意識していたのだろうし、ムラくんも、インタビューで、残り1枠と口にしてた。

分かりたくなかったのはファン。
分かりようもなかったのはそのカラクリを知らない普通の人。
それが今の空気感を生み出した正体だと思う。


でもね、もしかしたら彼はソチまで怪我を治して、復調するかもしれない。
ゆづやまっちーより、いい結果を出して、メダルを取るかもしれない。
もちろん、結果なんて今はわからないのだから、それをとやかく言うのはやめようと思う。
笑っても、泣いても、もうソチまで、1ヶ月ちょっとしかないのだから。

そして、最終枠に滑り込んだはずの彼にも、メダル獲得の期待が大きくかかっていて、いちばん、苦しいのは本人だと私は思うから。

代表発表後、テンションが高かったのはそのせいじゃないのかな、という見方もあるよね?


だから、一部のファンが躍起になって、選出の正当性を声高に叫んだり、マスコミがこぞって彼を持ち上げることはどうなんだろうと、思う。
特にスケート関係者が擁護すればするほど、怪しく感じる人も増えるだろう。


残念ながら、マスコミの露出度は増えるはず。
彼らにとってはオリンピックは商売だから。
商品価値の高い時に映像を流しておきたいはず。
結果が出て、使えな素材では困る。
そう考えれば、いま、ゆづより、まっちーより大きく扱われているように見えるのも、なんとなくパズルのピースがハマるように、腑に落ちる。


悪魔との契約だったんだよ。
そんな未来の約束をすることは。
その選択を彼がしたのか、彼を取り巻く何がしたのか、私にはわからないし、わかっても、やれることはない。

もう、最後まで走り抜けるしか、選べる選択肢はない。

だから、今後、ゆづも、そして、後を追う選手も「未来を約束するような契約」を選択をしないで欲しいと、願うばかり。
今の私にできることは日本人選手がみんな満足のいく演技をして、ソチから笑顔で帰ってくるのを見守ること。
もちろん、私にとっては、表彰台の頂点にゆづが笑顔で立っていることが、いちばん、嬉しいんだけどね。

未来の選択は本当に難しいね。