1作品520円でヨーロッパ各国の映画とトークショーが楽しめる『EUフィルムデーズ2014』でお洒落映画を観てきた

日記

 昨日は東京国立近代美術館フィルムセンターで開催している『EU Film Days 2014 |』に友人と行ってきた。最近観ているのがアニメ映画や邦画ばかりになってきていて、ヨーロッパの映画について開拓するのもよいと思ったのだ。『EU Film Days 2014 |』はEU加盟国の大使館や文化機関が提供する作品を上映する映画祭で、近年の各国を代表する映画が楽しめる。雨がすごい勢いで降ってきていて靴がびしょびしょになった。雨あめ降れふれ。

 今回観に行ったのはフランスの『グッバイ・ファーストラブ』とエストニアの『ケルトゥ/愛は盲目』の二本立て。1作品大人520円、学生310円というリーズナブルな価格でスクリーンの大画面で観られるのが良い感じ。土曜日ということもあって結構混んでいた。『ケルトゥ/愛は盲目』の上映後には主演女優のウルスラ・ラタセップさんのトークショーがあって役作りや社会的な背景についても聴けた。豪華。

グッバイ・ファーストラブ(2011年フランス)

 フランスの女流監督ミア・ハンセン=ラブ監督の自伝的作品。高校時代の失恋と大人になってからの再会で揺れる気持ちを描いた作品。プロットそのものは浮気されて自殺未遂・離婚協議中の指導教官を寝取り・流産・元カレと浮気・カッコウ婚未遂みたいな感じで2chスレまとめに実話として書かれたら大炎上しそうな感じなのだけど、凡庸な破滅的恋愛願望とそこに当事者としての特別性を見出すナルシズムこそが主題なのだろう。「昔は色々あったのよ」と言うための儀式というか。

 男の方が童顔かつ優柔不断で全く成長してないというのも含めて『だめんず・うぉ~か~』っぽくもあるのだけど、主演女優のローラ・クレトンが幼さを残しつつも官能的で全部許される。明らかにそういう目線の衣装やカットが多くてドキドキしちゃう。フランスでは当たり前かとも思ったけどそんなわけないよね。旅行シーンの川や草むらなどが幻想的なほどに綺麗でこんな青春もあるのかとほぇーってなっていた。お洒落映画。

ケルトゥ/愛は盲目(2013年エストニア)

 『映画「クロワッサンで朝食を」オフィシャルサイト | INTRODUCTION:作品紹介 |』で日本でも有名なイルマル・ラーグ監督の最新作。エストニアは北欧のバルト三国のひとつで、フィンランドから船で1時間半で行ける国として知られている。映画からもフィンランドの田舎町っぽい雰囲気が感じられた。『Alan Wake Xbox360 プラチナコレクション』のイメージ。

 田舎町でくすぶっている飲んだくれと、意志薄弱で対人恐怖症の女性ケルトゥのラブ・ストーリー。お祭りの夜に二人で消えた事について事件に仕立てられて、ひそひそ話や嫌がらせをされたりと田舎町のいやーな感じを描いていて、某氏の高知話や岐阜話なども思い起こす。ケルトゥの父親がサイコパス的でありながら中途半端に留めるDV描写が多くて逆に辛い。本人意志が曖昧な事を含めて「救いだす」とまでは言いにくいラインで空回りしてしまう感覚がリアル。

 (以下ネタバレ注意)手紙にかかれていたのが「籠の中から連れ出して」を暗示させるみたいな話じゃなくて、純粋な恋の詩であるからこそ良い。「本当に悪いのは私かもしれない」とDVであることすら認識できないように追いつめていくのがDVなわけだけど、家族の外部にいた彼を純粋に好きだという気持ちは独立して持ちえることだし、彼にとってもその気持ちさえ通じ合えば後は瑣末な問題だと割り切って走りだすのが物語の構造としてうまくハマっている。『ボーイズ・オン・ザ・ラン 1 (ビッグコミックス)』はそこのエビデンス検証が疎かだったから悲しい喜劇になったのだ。

東京駅構内の黒塀横丁にある『龍潭』で沖縄料理を堪能する

 そんなわけで、二本立て映画をみたら19時過ぎ。雨は弱くなっていた。心は満たされてたけど、お腹が空いた。東京国立近代美術館フィルムセンターは東京駅に近いので、東京駅構内の黒塀横丁にある『龍潭』で沖縄料理を食べた。

 久米仙1合を頼んだらロックや水もくれて好きに割れるので捗った。酒はコレだけで充分。定番の沖縄料理から普段はなかなか食べられないものまで色々あった。

 オススメは「もずくの天ぷら」と「ジューシー」。もずくのかき揚げを塩で食べるとこんなに美味しいとは。「ジューシー」とは豚の出汁を使った炊き込みご飯で、話だけでは聞いてて食べたかったのだけど、締めにぴったりの優しいお味。

 そんなわけで『EU Film Days 2014 |』は楽しくてお得なので興味があるかたは是非。まだまだ開催中です。ハンガリーの『ファイナルカット』とかも気になっていたり。

お言葉

 他の国の文化に触れると見るもの見るものが新鮮で、ちいせえ子供んときに戻れる感覚もある。異邦人とて映画の中の街並みを歩く。

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