インド:人民党が単独過半数確保 モディ氏が勝利宣言
毎日新聞 2014年05月17日 11時21分(最終更新 05月17日 11時34分)
【ニューデリー金子淳】インド総選挙(改選数543議席)は17日朝も開票が続き、最大野党・インド人民党が単独過半数を獲得した。首相就任が確実視される西部グジャラート州首相、ナレンドラ・モディ氏(63)は演説で「12億人の国民の夢をかなえるためインドを前進させる」と勝利を宣言し、経済発展に尽力する考えを表明した。
選管によると、人民党は少なくとも278議席(前回獲得議席116)を獲得し、国民会議派以外の政党として初めて単独過半数に達した。会議派は44議席(同206)にとどまるとみられる。開票作業は17日中に終了する見通し。
会議派の事実上の次期首相候補として選挙戦を主導したラフル・ガンジー副総裁(43)は16日、「責任は私にある」と述べ敗北を認めた。これに対し、母のソニア・ガンジー総裁(67)は「私が全ての責任を取る」と述べ、母子でかばい合った。
モディ氏には国外からも当選を祝福する声が相次いで寄せられた。領土紛争を抱える隣国・パキスタンのシャリフ首相は16日、モディ氏に電話し自国に招待した。ただ、モディ氏はパキスタンに対し強硬姿勢に出るとみられており、訪問がすぐに実現するかは不明だ。
首都ニューデリーの人民党の党本部では16日から勝利を祝う人でにぎわった。果物売りのチャンダ・デビさん(44)は「1日200ルピー(約340円)しか稼げないが、モディ政権になればもっといい生活ができると信じている」と期待を寄せた。一方、イスラム教徒のジャン・ムハンマドさん(41)はヒンズー至上主義を掲げるモディ氏の勝利について「今後、国内のヒンズー過激派が活動を活発化させるのではないか」と懸念を語った。