Skyland木下氏の
歴史上最も社会的意義を生み出したエンジェル投資とは(East Ventures 松山太河氏)
というブログを読んだ。

このブログの趣旨は「起業家を支援するエンジェル投資を増やして日本のベンチャーをどんどん増やそうぜ」ということだと思われるが、ここで一番大事なところは

 -マークラはインテルの普通のサラリーマンであったが、ストックオプションを得ており数億円規模の資産を保有していた。
というくだりだ。

エンジェル投資段階でどの会社が将来のAppleやGoogleになるかなんて、わかるわけがない。
マークラだって偶然の産物にすぎないし、太河氏自身も過去にFacebookで失敗を告白している。

要するに数が必要なのだ。普通のサラリーマンが余剰資金を持ち、数百万くらいのエンジェル投資を数社くらい遊び半分で出せるような素地が必要になってくる。

IntelもMicrosoftもciscoもSunもOracleもそうだが、シリコンバレーのベンチャーが上場前・上場後に従業員向けに配ったストックオプションが数億、数十億という価値を持つことは珍しくない。
実際、僕のいたSun Microsystemsでもいち地域子会社にすぎない日本法人ですらストックオプションで1億単位を儲けた「普通のサラリーマン」はゴロゴロいたし、すごいひとでは30億ほど儲けて長者番付に載っていた。

ただ、残念なことに日本のITベンチャーで「普通の社員がストックオプションで億万長者ゴロゴロ」というケースはさほど多くなく、ヤフー・楽天くらいではないだろうか。
実際にヤフーや楽天の「普通のサラリーマン」が今をときめくベンチャーにエンジェル投資をしていた事例は多い。(気になる人は調べてみて。たくさんあるから)

これを実現するには、上場時の時価総額だけでなく、上場後の株価のmultipleをどれだけ出せるか、が重要になる。上場ゴールなんて馬鹿も休み休み言え、というハナシだ。

で、まあ何を言いたいかというと、もうすぐリクルートさんとかLINEさんあたりがたくさんの「普通のサラリーマンで億万長者」という人を大量に輩出する模様なので、エンジェル税制の拡充もあいまってエンジェル投資が増えないかなぁ、と思う次第。