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【サッカー】

大久保決勝弾 本番へ万全

2014年6月8日 紙面から

日本−ザンビア 後半、ゴールを決め駆けだす大久保(共同)

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◇日本4−3ザンビア

 【タンパ(米フロリダ州)本紙取材団】サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会に臨む日本代表は6日、当地で行われた強化試合でザンビアと対戦し、4−3で競り勝った。大量失点で守備のもろさも露呈したが、粘り強く反撃を続け、本番前最後の国際試合を白星で締めくくった。2点を先行された日本は後半に、香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=と、本田圭佑(27)=ACミラン=の2得点で勝ち越した。その後に同点とされたが、試合終了間際に大久保嘉人(31)=川崎=が決勝ゴールを奪った。国際サッカー連盟ランキングは、日本が46位で、ザンビアは76位。日本は米国合宿を終え、ブラジルでの拠点となるサンパウロ北西部のイトゥへ向かった。

 この時を待っていた。後半ロスタイム、投入されたばかりの青山が放った乾坤一擲(けんこんいってき)のロングパスに、大久保が走り込む。先に落下点に入ったのはザンビアDF。しかし右足を伸ばして絶妙のトラップでかっさらうと、左足を思い切り振り抜いた。「(青山がパスを)よく出したね。そのままダーンって打った。いやもう、スッキリしましたよ」。ほおを上気させながら振り返った決勝弾。乱打戦にピリオドを打つスーパーゴールで、W杯開幕前最後の公式戦を勝利で締めくくった。

 大久保にとって、国際Aマッチ通算6点目となったゴールは、2008年11月のシリア戦以来6年ぶり。しかし過去を思い起こして喜びに浸ることはなかった。「長かったけど、昔は関係ない。昔のオレと今のオレとは全然違うから。今回選ばれたことでスタートと思っているんで」。昨年移籍した川崎で超攻撃的なサッカーを学び、能力を最大限に発揮できている自負が、過去と決別させた。

 この日は後半開始から熱望していた1トップで出場。しかし大迫の投入により15分しかプレーできずに右サイドにポジションを変えた。「昔はやっぱ先発を外れて悔しいとか…。まあ今もその気持ちは持ってるけど、そんなん言ってられないしね。チームとしてどうW杯を戦わないといけないかでしょ」。どんな立場でも不満を漏らさず、かつ結果も出す。それがサプライズ選出された自分の役割と分かっている。

 フロリダでの2試合には、治安を考慮してブラジルへは行かない莉瑛夫人と3人の息子が応援に駆けつけていた。スタンド最前列にかぶりついてヒーローインタビューを聞いた長男には、汗だくのユニホームをプレゼント。「今日は3人とも寝ないで見ていたみたい。最高の旅になったでしょ」と、父親の顔に戻って笑った。運命の初戦まであと1週間。ザックジャパンのラストピースは、万全の状態でブラジルへと乗り込む。 (宮崎厚志)

 

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