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【大リーグ】

ダルビッシュ、我慢で6勝 7イニング4失点も、降板直後に打線が勝ち越し

2014年6月8日 紙面から

◇レンジャーズ6−4インディアンス

 【アーリントン(米テキサス州)大城和美】我慢が白星を呼び込んだ。レンジャーズのダルビッシュ有投手(27)は6日(日本時間7日)、地元のインディアンス戦に先発。7イニングで今季自己ワーストの9安打を浴び、メジャー3年目で初めて3ランを被弾するなど4失点を喫したが、5回以降は粘りの投球で無失点に抑えるなど7イニング4失点、8奪三振。降板直後に味方打線が勝ち越しに成功し、「僕の日ごろの行いがいいとしか言えない」と冗談めかして笑ったダルビッシュに6勝目(2敗)がついた。

 数字だけ見れば、納得の投球には程遠かったかもしれない。9安打は今季ワースト、4失点も今季最多タイ。それでも、悪いなりに踏ん張る投球に、野球の神様がほほ笑んだ。

 序盤から制球と球審の辛めの判定に苦しみ、3回はチゼンホールにメジャー3年目で初めて3ランを被弾。4−3の4回はカブレラに6号同点ソロを浴びると、ダルビッシュは思わず腰を折り、下唇をかみ締めて首を横に何度も振った。「ストライクゾーンがちょっと狭めだったので苦労した」。だが、ここからがエースの真骨頂だった。

 大きな山は4−4の6回だった。連打で無死一、二塁のピンチ。ここから連続三振で2死までこぎ着けると、迎えた打者は前の打席で痛い目に遭い、あと三塁打でサイクル安打のカブレラ。初球の90マイル(約145キロ)内角カットボールでどん詰まりの投ゴロに仕留めると、ガッツポーズで雄たけびを上げ、ジメネス捕手とハイタッチした。

 「それまでタイミングが合っていたし、ここを抑えればチームも乗っていけると思った」とダルビッシュ。7回2死二塁の危地も一ゴロに抑えて降板すると、その裏にチョイスの決勝ソロが飛び出し、ダルビッシュが6勝目を手にした。

 「珍しく援護があった? 僕の日ごろの行いがいいとしか言えない」。ダルビッシュはちゃめっ気たっぷりに笑った。

 ワシントン監督も感じ入った。「ダメージを受けたが、折れない。いい投手でも、ときに大リーグでは今夜のように必死に戦わねばならない。今夜はハートを見せてもらった」。3ランを浴びせたチゼンホールも「リーグで最高の球を持っている上に決して諦めない」と右腕を称賛。米スポーツサイト「SBネーション」は「決してダルビッシュが悪かったというわけではなく、いつものように圧倒的な投球ができなかっただけだ。味方がリードしてくれるまで粘り切り、そして勝った」と我慢の投球を評価した。

 防御率こそ2・36のリーグ3位に後退し、2・02で同1位の田中将大に水をあけられた。だが、負ければ借金生活だった故障者続出のチームを救い、5月9日以来となる本拠地での連勝。万全でなくとも、エースたるゆえん、その存在価値を見せつけた。

 

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