沢木香織
2014年6月8日19時45分
夜桜の名所、大阪城公園西の丸庭園。昨年までは入園料350円で自由に花見ができ、飲食物も持ち込めたが、今年は持ち込み禁止に。天守閣が間近に見える人気エリアを予約制にして入場も制限し、4倍以上の値段にし、客の入りは伸び悩んだ。大阪市の使用許可を得た民間団体のアイデアだったが、市は来年度に向け、「運営方法を検討する」としている。
300本の桜が咲く西の丸庭園(約6万4千平方メートル)は、昨年までは入園料350円を払えばどこでも花見ができた。
今年は、一般社団法人「日本イルミネーション協会」(大阪市)が4月13日までの20日間、「夜桜イルミナージュ」として夜間にイベントを開催。庭園の東部分5千平方メートルを「絶景エリア」と名付け、電飾で区切った。入場は大人1人1500円。10人以上で場所取りもお任せのプランは、2千円分の飲食クーポン、ごみ袋つきで同3千円。予約制で、侍姿のスタッフが出入りをチェックした。
庭園全体で飲食物の持ち込みも禁止とし、代わりにたこ焼きやギョーザなどの屋台9店が並んだ。
協会によると、予約制は「場所取りの負担を軽減する狙い」、持ち込み禁止は「手ぶらで花見を売りにするため」だったという。
庭園全体の来場者数は計3万6241人で1日平均1812人。3万5千人の「採算ライン」は超えたが、目標の5万人には届かなかった。絶景エリアの利用者は計1785人で1日平均89人。昨年まで毎年激しい場所取りが繰り広げられてきた場所だが、今年は桜が満開なのに閑散とした日もあった。
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朝日新聞社会部
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