ブラックバイト:被害に遭わないために 学生が労組結成も
毎日新聞 2014年06月08日 21時03分(最終更新 06月08日 21時59分)
「労働組合って何でしょう?」。札幌市豊平区の北海学園大で5月30日にあった学生バイトの労働組合「札幌学生ユニオン」の学習会。講師の浅野高宏弁護士(38)は集まった約10人の学生に質問を投げ掛け、労組の役割や結成の仕方などについて説明した。
同ユニオンは北海道大生を中心に1月に結成された。組合員は約10人。バイト体験の聞き取りや月1回の学習会などを続けている。
この日は昨年から始まった労働法規の知識を問う「ワークルール検定」の初級テキストを教材に学んだ。共同代表で北大4年の下郷沙季さん(24)は「ワークルールは知らないことだらけ。労働条件の問題点を洗い出し、どうやって経営者と話し合いの場をもったらいいかを考えていきたい」と話す。
◆ホットライン開設
連合北海道は5月30〜31日、「ブラックバイト24時間労働相談ホットライン」を初めて開設した。新入生がアルバイトを始めるこの時期に合わせ実施した。
寄せられた相談は50件。「仕事上の苦情を外部に出さないと誓約書を書かされた」「午前2時まで働かされるのに交通費が出ない」など労働法規に違反した相談も多かった。
連合北海道の担当者は「バイトを終えてから深夜に電話してくるケースもあった。どこに相談したらいいか分からなかったという学生も多く、今後も続けたい」と話している。
大半の学生が経験するアルバイト。職業体験の貴重な機会であるバイトを正しい条件のもとで行える環境づくりが求められている。