政府与党自民党を顧客に持ち、2ちゃんねるの創設者ひろゆき氏らと密接な協力関係にあるホットリンク社が、自社のウェブページ外で密かに、「ランクチェンジャー」というサービスを提供していることが分かった。このサービスの特色は「プレゼンスを下げたいサイトや企業イメージを損ねるサイトをランクアウトさせる 」ことである。
(ホットリンク社の発表資料より)
ランクチェンジャーは、ホットリンク社のコーポレートサイトにも掲載されておらず、リンクも張られていない、いわば「裏メニュー」にあたる。
サイト下のHOTTOLINKというコピーライトの記載は、テキストではなく画像になっていて「ホットリンク」とサーチした場合に検索エンジンで対象となるのを回避している。ただし、会社情報などのリンクを押すと、ホットリンク社本体へつながる仕組みであった。またWHOISという登録ドメイン名の名義人リサーチ機能を用いても、同ウェブサイトがホットリンク社の名義と住所であることが確認できる。
なお、現在のウェブページでは上記画像の通り「結果として」他のサイトの順位が下がったと言う建て前になっているが、運用当初の発表情報は「プレゼンスを下げたいサイトや企業イメージを損ねるサイトをランクアウトさせる 」ということを明示している。通常のいわゆる検索エンジン対策(SEO)・つまり自社のサイトを上位へあげようとするのは一般的サービスだが、その反対の(逆SEO)下げるサービスを他サイトに対して行なっているのを明言していたのは珍しい。
いまは自社のサービスを積極的に宣伝した結果として「結果的に」他のサイトの順位より上に来てしまったという建て前に修正済みだが、このランクチェンジャーは過去のリリースを見ると明示的に「敵を攻撃する」サービスである。つまり都合の悪い声は消してしまうということだ。(一般論だが、このようなサービスは運用方法次第で、偽計業務妨害罪などが成立し得ると思われる。)
このrankchanger.jpで調査すると他に以下のようなサイトが同一サーバで発見でき、それぞれの登録情報を調べると、いずれもドメイン所有者はHOTTOLINKであった。
このうち、(1) http://e-mining.jp を入れると、ホットリンクのページにジャンプし、(2)http://socialrisk.jpと(3) http://netrisk.jp からはいずれも、「ソーシャルリスク.jp」のページに飛ぶことになる。ではこれらの不明瞭なビジネス群はいったい何を行なおうとしているのか。