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 回転ずしのスシローは、ビッグデータを使い、来店客が食べたいタイミングで、食べそうなすしを出そうとしている。

 すし皿1枚1枚の裏につけたICタグから集めた顧客の消費データが武器だ。

 例えば、子ども1人と両親の3人家族が来店する。来店客は店の入り口のタッチパネル画面で、子どもの数と大人の数を「チェックイン」する仕組みだ。

 情報は、ネット上のデータベースに送り込まれる。家族構成に応じ、「着席して1分後に何を食べそうか」「そのあと15分後まで何を食べるか」という予測が瞬時にはじき出され、厨房(ちゅうぼう)の画面に届く。店長は、天気などを見ながら自分の勘も加えて微修正。店員はそれに従って、タコやマグロといったすしをつくり、回転レーンに流す。

 マグロのすしの場合、だれも手にとらないまま回転レーンを350メートル回ったものは廃棄される。来店客が求めるすしを出すようになってから、廃棄率は4分の1以下になった。

 企業にとってビッグデータ活用は、無駄を省き、利益を極大化する武器だ。