- [PR]
ライフ
【挿絵で振り返る「アキとカズ】(10)韓国の美人女優が演じた「朝鮮戦争の慰安婦映画」
あれはバブルのころだ。田村正和主演でヒットしたフジテレビの人気ドラマ「ニューヨーク恋物語」や「オールナイトフジ」に出演していた韓国人女優、李恵淑(イ・ヘスク)を覚えているだろうか。
スレンダーなボディー、小づくりな顔をした正統派の韓国美女。ビートたけしが寸又峡事件の金嬉老を演じた「金(キム)の戦争」にも出ていた。
その美人女優がオールヌードになり、朝鮮戦争時(1950~53)の米兵相手の慰安婦(ヤンカルボ)役を演じた韓国映画が『銀馬将軍は来なかった』(1991年、張吉秀監督、安正孝原作)である。
映画のストーリーは『アキとカズ』の第52回でも紹介したが、舞台は朝鮮戦争時の韓国の寒村。美しい若い寡婦(李恵淑)が家に忍び込んできた米兵にレイプされてしまう。最初は同情していた村人も、やがて汚らわしいものを見るような目になり、寡婦は「村八分」になる。
しまいには幼子で食べさせる米もなくなった寡婦は、やむなく怪しげな韓国人女性の誘いに乗ってしまう。そして、近くにできた掘っ立て小屋の「慰安婦村」(テキサスタウンの名があった)で夜な夜な、米兵相手に体を売り、カネを稼ぐのであった…。
朝鮮戦争で、韓国人業者らが開いた「慰安婦村」が実在したことは知られてはいたものの、それを、おおっぴらに描くことは長らくタブーであった。
当時、私は韓国に居て、この映画をスクリーンで見たのだが、でき映えの素晴らしさに感動したことを覚えている。李恵淑の鮮烈なヌード(残念ながらその後のビデオ版では大幅にカットされていた!)もさることながら、「禁断のテーマ」に果敢に挑み、朝鮮戦争の悲劇、韓国の伝統社会の閉鎖性を見事に描ききった名作だった。
海外での評価も高く、同年のモントリオール世界映画祭では、主演女優賞や脚本賞に輝いている。
このニュースの写真
関連ニュース
- [PR]
- [PR]