坂本龍馬さんＷ杯盛り上げるぜよ！高知・桂浜ＰＶの仕掛け人

　サッカーＷ杯ブラジル大会の開幕が１２日（日本時間１３日）に迫った。ザンビアとの前哨戦を制し、勢いに乗る日本代表を応援しようと、試合当日は各地でパブリックビューイング（ＰＶ）が行われる。坂本龍馬を生んだ高知では桂浜でのＰＶ開催が決まったが、尽力したのがナント、坂本龍馬さん（４２）＝高知県観光コンベンション協会スポーツ課長＝。仕掛け人が幕末のヒーローと同姓同名とあって注目度は抜群。当日は５０００人の盛況が見込まれている。

　高さ５・３メートルの坂本龍馬像が高台から見下ろす桂浜。土佐を代表する景勝地で行われるＰＶは、日本代表の初戦となるコートジボワール戦（同１５日）が対象。当日は５０００人が訪れる予定だという。「最近（坂本龍馬と）似ていると言われることが多くなりました。ずっと名前負けと言われてきたのですが、今は同じ名前でよかったと思っています」。ＰＶの仕掛け人は、歴史上の龍馬に顔立ちまでそっくりの男性だった。

　東京都杉並区で生まれ、川崎市で育った。龍馬ファンの父親に名付けられたが、子どもの頃は本家の偉大さに気づいていなかった。しかし、中学生の頃から伝記などを読んで関心を持ち、長女を龍馬の妻にちなんで「竜（りょう）」と名付けるほど心酔。Ｗ杯南アフリカ大会が開催された４年前には、当時勤務していた出版社で龍馬の特集本の編集長も務めた。

　それまで高知には取材で訪れる程度だったが、一昨年９月に「スポーツ関連の仕事がしたい」と転職。高知への転職を目指したわけではなく、偶然見つけたのが高知の求人情報だったという。自身も中学時代からサッカーを続けている坂本さんは、南アＷ杯の応援イベントでアディダスジャパン社とかかわっていた縁もあって、今回のＰＶ誘致をア社に打診。桂浜での開催にこぎつけた。

　高知はＪリーグ加盟クラブがない１１県の一つ。プロ野球に比べ、サッカー人気の劣勢は顕著だ。「高知でも、サッカー人気がなかなかなもんだと示したいんです。５０００人が集まれば、認知してもらえると思うので」と坂本さん。最終的には日本代表戦を高知で開催するのが夢。今回の桂浜ＰＶを、高知にサッカー文化を根付かせるきっかけにしたいと意気込んでいる。（中村　卓）