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毎日新聞の理念

朝比奈 豊(あさひな ゆたか)

朝比奈 豊(あさひな ゆたか) 東京大学農学部卒業後、毎日新聞社入社。
浦和(現さいたま)支局長、東京本社社会部長、東京本社編集局長、取締役社長室長、常務取締役主筆などを歴任し、2008年6月に代表取締役社長に就任。
静岡県出身。1947年生まれ。

 「報道に近道はない」を合言葉に、ねばり強い取材活動を展開し、政治・経済・外交の深層にある事実を明るみに出すスクープ、困っている人たちに寄り添い救済につなげるキャンペーン、社会問題を掘り起こす独自の調査報道、分かりやすくかみくだいた解説、そして読んで役に立つ情報、コラムなどを読者に届ける。これを私たちは「毎日ジャーナリズム」と呼んでいます。

 インターネットが急速に普及し、多メディア化が進む中で、新聞にできること、新聞にしかできないものが求められています。そのような状況下で毎日新聞は、新たな新聞のあり方を探り、提案していきます。

 2011年3月11日、わが国は東日本大震災というかつて経験したことのない大地震と大津波、そして福島第1原発の深刻な事故に見舞われました。その中で、私たちは歴史的な転換点を迎えているのではないでしょうか。日本国民全員がこの震災を機に、自らの足元をしっかりと見つめるようになったように思うのです。毎日新聞社は大震災の発生後、全社員が一丸となって多くの困難を乗り越えてきました。その原動力は「新聞とは何か」という原点に立ち返ることだったと思っています。

 私自身、発生後まもなく被災地の避難所を訪れ、毎日新聞を食い入るように読む人たちを間近に見ました。いま何が起き、どうなっているのか? 今後どうなるのか? 大切な人は大丈夫だろうか? なめるように文字を追う被災者を見つめながら、私は「新聞の使命」「役割」を改めて痛感しました。正確な事実、役立つ情報、考え抜かれた主張。そして被災者に寄り添い、励まし、政府に提言する。「日本に毎日新聞があってよかった」と多くの読者が受け止めてくれること。そんな紙面が「新聞の力」、ひいては毎日新聞の原点だという思いを強くし、それこそが「毎日ジャーナリズム」の目指す道だと確信したのです。

 毎日新聞は、日本新聞界のグランプリである新聞協会賞(編集部門)を通算26件受賞し、新聞界における最多記録を更新し続けています。11年度にダブル受賞したのは「『力士が八百長メール』のスクープをはじめ大相撲八百長問題を巡る一連の報道」と「『3・11 大津波襲来の瞬間』をとらえたスクープ写真」です。携帯メールという決定的な証拠により、力士ら25人が角界追放される前代未聞の不祥事を明るみにしました。また、取材ヘリの燃料が残り少ない中、記者は的確な判断で撮影し、1枚の写真から津波の破壊力、すさまじさを伝えました。ともに毎日ジャーナリズムを発揮した報道といえます。

 毎日新聞は2012年2月21日で創刊140年。さまざまな電子メディアが登場する中、日本で最も伝統のあるメディアとして、読者の知る権利に応え、健全な民主主義社会の形成に寄与し、これからもさまざまな先進的な取り組みに挑戦していきます。

 どうぞご愛読ください。

毎日新聞社企業理念 (1991年10月制定)

基本理念

毎日新聞社は、人間ひとりひとりの尊厳とふれあいを重んじます。生命をはぐくむ地球を大切にします。生き生きした活動を通じて時代の創造に貢献します。

基本理念を受け、毎日新聞社は以下の指針に沿って行動する。

指針

  1. 言論・報道・情報・文化企業として、読者をはじめすべての人々に個性的で質の高い商品を提供する。
  2. 販売店、関連・協力企業と手を携えて毎日グループの総合力を高め、広告主などあらゆる取引先とゆるぎない信頼関係を築く。
  3. 従業員の能力を開花させ、その生活を豊かにするとともに、株主の期待に応えて経営基盤の強化を図る。

毎日憲章 (1946年2月制定)

  • 毎日新聞は言論の自由独立を確保し真実敏速な報道と公正な世論の喚起を期する。
  • 毎日新聞は全従業員の協同運営により社会の公器としての使命を貫徹する。
  • 毎日新聞は社会正義に立脚し自由、人権、労働を尊重する。
  • 毎日新聞は民主主義に則して文化国家の建設を推進する。
  • 毎日新聞は国際信義に基づき世界平和の確立に寄与する。

毎日新聞社の環境理念、環境方針

 毎日新聞社は1991年に提唱した企業理念に「生命をはぐくむ地球を大切にします」と明記し、業界でいち早く環境問題に取り組んできました。これからも地球環境保全に取り組み、環境パフォーマンスの継続的改善のため、環境マネジメントシステムを構築し、全役員と全従業員にこれを徹底し、継続的かつ効果的に、この環境マネジメントシステムを運用します。

環境理念

 毎日新聞社は、より良い地球環境を未来に残すため、全社を挙げて環境保全に取り組み、地球環境問題を広く社会に伝え、報道機関としての企業責任を果たします。

環境方針

 毎日新聞社は、時事に関する報道・論説を掲載する日刊新聞・出版物・ウェブサイトなどの制作、発行、販売、文化・スポーツイベントなど各種事業の企画・運営を通じて環境問題に取り組み、以下の活動を推進します。

1.事業活動、商品、サービスにより発生する環境への影響を常に考慮し、環境負荷の継続的改善及び汚染の防止に努めます。
2.環境目的・環境目標を設定し、定期的見直し・継続的向上を図り、持続可能な社会の実現のために地球環境保全に取り組みます。
 (1)報道やイベントを通じた環境情報の発信に努め、市民の環境意識向上に貢献します
 (2)省資源、省エネルギー、リサイクルを推進し環境にやさしい社会の実現に貢献します
3.当社の活動に関連する環境法規制及び当社が同意するその他の要求事項を順守します。
4.この環境方針は全役員・従業員・グループ会社並びに当社に関係する幅広い人々に周知し、その徹底に努めます。
5.この環境方針は広く一般に公開します。

2008年10月28日
株式会社毎日新聞社
代表取締役社長 朝比奈 豊

毎日新聞社編集綱領 (1977年12月制定)

 われわれは、憲法が国民に保障する表現の自由の意義を深く認識し、真実、公正な報道、評論によって国民の知る権利に応え、社会の公器としての使命を果たす。このため、あらゆる権力から独立し、いかなる不当な干渉も排除する。
 われわれは、開かれた新聞を志向する。新聞のよって立つ基盤が広範な読者、国民の信頼と協力にあることを自覚し、積極的にその参加を求めていく。
 この自由にして責任ある基本姿勢を堅持することは、われわれの責務である。このため、編集の責任体制を確立するとともに、民主的な運営をはかる。
 新しい歴史の出発にあたり、われわれは、新たな決意のもとに社会正義に立脚して、自由、人権、労働を尊び民主主義と世界平和の確立に寄与することを誓う。
 われわれは、ここに毎日憲章の精神と百余年の伝統を受け継ぎ、さらに時代の要請に応えるため、編集綱領を定める。

【表現の自由】

毎日新聞は取材報道、解説、評論、紙面制作など、編集に関するすべての活動に当たって、それが国民の表現の自由に根ざすことを認識し、すべての国民が、その権利を行使するのに寄与する。

【編集方針】

毎日新聞は、言論の自由独立と真実の報道を貫くことをもって編集の基本方針とし、積極果敢な編集活動を行う。また読者、国民との交流をすすめ、社内外の提言はこの基本方針に照らして積極的に取り入れる。

【編集の独立】

毎日新聞は社の内外を問わず、あらゆる不当な干渉を排して編集の独立を守る。この編集の独立は、全社員の自覚と努力によって確保される。

【記者の良心】

毎日新聞の記者は、編集方針にのっとって取材、執筆、紙面制作にあたり、何人からも、編集方針に反することを強制されない。

【主筆】

毎日新聞に主筆を置く。主筆は、編集の独立、責任体制、民主的な運営の責任者として編集を統括し、筆政のすべてをつかさどる。

【編集綱領委員会】

毎日新聞に編集綱領委員会(以下委員会という)を置く。委員会は、編集を直接担当する社員若干名で構成し、編集の基本にかかわることを取り扱う。毎日憲章および編集綱領の改変は、委員会の議を経る。委員会は、主筆の任免にあたって取締役会に意見を述べることができる。委員会は、社員から提議があった場合、これを審議する。委員会は、会議の結果を取締役会に文書で伝える。取締役会は、委員会の会議の結果を尊重する。