次世代のエコカーということで、HV(ハイブリッド)やEV(電気自動車)が盛んに宣伝されている。確かにカタログ燃費はいい。
ただ一点だけ気になる。これらの車が積むバッテリーがへたった時のバッテリー代はいくらになるのだろうか?
ご存知のようにどんなバッテリーでも寿命がある。通常の自動車が積む鉛バッテリーも通常2、3年。もって5年くらいでバッテリー性能が劣化し、バッテリー上がりを頻発して実用に供さなくなる。そのときの置換コストは要領にもよるが5000〜20000円くらいであろう。
さてハイブリッドやEVが積むリチウムイオンバッテリーも当然寿命がある。メーカーは10年10万km保証をうたっているところもあるが、使い方次第なので、結構強気な数字だと思う。これが寿命になった場合どうなるのだろうか?
実際に買ったことはないが、いくら価格的にこなれてきているとは言え、数万円で全部交換できるとは思っていない。実際初期のプリウスは30〜50万円あたりと聞いている。もう10年以上たっているため、確かにメーカー保証値としては問題ないのかもしれないが、10年落ちのプリウスをバッテリー入れ替えて使おうと言う人はおそらく極わずかであろう。
さて、冒頭の記述に戻る。これは本当にエコカーなのであろうか?
私はそうは思わない。今の政府や自動車メーカーがうたう「新しいエコカーをどんどん買って古い車は捨てましょう」というコンセプトはエコではないと思う。むしろ多少古い車であっても、触媒の更新等、最低限のコストで長く使える方がよっぽどエコであると思う。
確かに燃費は大事だ。しかしもっと大事なのは車の生産から使用、廃却に到るまでのCO2排出量の低減であって、燃費は1つのパラメーターでしかない。ましてや今のJC08モードに特化したカタログ燃費の作り込みは、論外としか言いようがない。
EVにしても、これは電気が原子力発電によってCO2排出なく作られると言う前提に成り立ったものである。一部の原子力ムラにお住まいの方を除いて、このビジョンに賛成できる人はいないであろう。そういえば原子力推進派の某が都知事になったらしいが、もちろん新規原発は都内でな。
環境問題とかエコだとか言って、結局は人類がより長く生き延びるための手段にすぎない。バッテリーがぎゅう詰めのエコカーや、原子力発電は問題を次世代に先送りにしているか、はたまた突然の破滅的被害と裏腹の危険な賭けであることは言うまでもない。
それでもエコカー買いますか?