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【 東京展出品作品の変更について 】
奈良、斑鳩の地に飛鳥時代から続く法隆寺は、聖徳太子の教えを今に伝える祈りの場として、人々に親しまれています。 太子の教えとともに守られてきた多数の美術工芸品は、日本屈指の質と規模を誇り、文化財の一大宝庫ともいえます。このたび、東日本大震災からの復興を祈念するとともに、新潟県中越地震復興10年という節目の年に、法隆寺の寺宝の数々を公開する展覧会を開催いたします。除災や国家安穏を祈って造られた金堂(国宝)の毘沙門天、吉祥天(いずれも国宝)をはじめ、奈良、飛鳥時代以降の優れた彫刻や絵画、色鮮やかな染織品を含む工芸など仏教美術の粋が出陳されます。また、フェノロサや岡倉天心による明治期の調査を発端として、法隆寺所蔵の文化財保護と継承に携わってきた 東京美術学校(現・東京藝術大学)の活動や、法隆寺を主題に制作された近代の絵画・彫刻なども紹介します。約70件の名品を通じて、法隆寺信仰への理解を深めていただく機会となります。
法隆寺は、推古天皇15年(607)、聖徳太子によって創建された日本を代表する古刹です。その歴史は、仏教の振興に力を尽くした太子への篤い信仰とともに発展し、約1400年の間受け継がれてきました。建物は、金堂、五重塔を中心とする西院伽藍と、夢殿を中心とした東院伽藍からなり、平成5年(1993)には、現存する世界最古の木造建築物群として、日本で初めてユネスコの世界文化遺産に登録されています。また、法隆寺に伝わる文化財は数万点にも及び、美術工芸品においては、国宝20件、重要文化財125件を有しています。