ISS運用:露副首相「20年以降は協力継続せず」
毎日新聞 2014年05月14日 10時36分(最終更新 05月14日 15時25分)
【モスクワ田中洋之】ロシアのロゴジン副首相は13日、国際宇宙ステーション(ISS)の運用を2020年以降は継続しない考えを表明した。20年までの運用で合意しているISSについては、米航空宇宙局(NASA)が1月、24年まで延長する計画を発表したが、米国と共にISSを主導するロシアの協力なしでは不可能とみられる。副首相は「(ISS向けの)予算をより有望な宇宙開発計画に回す」と説明したが、ウクライナ情勢をめぐり対露制裁を強化する米国への「報復」との見方が出ている。ISSは米露と日本、欧州、カナダの計15カ国で運用している。
◇米の制裁に報復か
また、ロゴジン副首相は米国が運用する全地球測位システム(GPS)でロシア国内に11カ所ある地上局の稼働を6月から停止する方針も示した。ロシアが独自開発した衛星測位システム「グロナス」をめぐり、米国が自国内に基地局設置を認めないことへの対抗措置という。
さらに副首相は、米国が衛星打ち上げに使用しているロシア製ロケットエンジンについて軍事目的であれば供給を停止すると述べた。
ロゴジン副首相は軍需産業担当の保守派で、ウクライナ問題をめぐり米国と欧州連合(EU)から渡航禁止や資産凍結の制裁を受けている。