「北京五輪の経済効果は2兆9500億円、ロンドンは2兆680億円でした。五輪の経済効果は2~3兆円と考えればいいでしょう。私も150兆円に疑問を感じて調べたところ、細かい計算をした数字ではないことが分かりました。竹中さんのチームは前倒し分としてリニア新幹線や首都高の整備なども入れているのではないか。少しでも五輪に関係するものを含めた結果、数字が膨らんだのでしょう。現時点で一番正確なのは東京都の3兆円だと思います」
もともと必要だったインフラ整備を五輪の経済効果に算入すれば、数字は膨らむ。誇大広告みたいなものだが、この研究所はそうやって、数字を水増しする一方で、リポートの最後にはこんな文言を付け加えている。
〈五輪開催直後には経済の落ち込みが生じることが多い。そうした落ち込みを防止し、日本経済の持続的な成長に向けた新たな需要創出に繋(つな)がるイノベーションを生み出すための規制改革が必要である〉