【ワシントン=吉野直也】オバマ米大統領は27日、ホワイトハウスで声明を読み上げ、アフガニスタンに駐留する米軍部隊について、2016年末までに治安支援事務所を除いて完全撤退を目指す方針を発表した。オバマ氏は「アフガンでのテロを主導した国際テロ組織アルカイダに打撃を与えた。首謀者のウサマ・ビンラディンを殺害し、米国への攻撃も阻止した」と駐留の成果を強調した。
アフガンの駐留米軍は段階的に削減を進める。戦闘任務を終える14年末以降は9800人規模を駐留させ、15年末にさらに半減させる。オバマ氏は01年の米同時テロ後に始まったアフガンでのテロ掃討作戦を振り返り、「米国民の予想以上に米軍の駐留は長期にわたったが、米軍はまったく間違わなかった。軍、外交、そして情報分析のおかげだ」と指摘した。
現在、アフガンに駐留する米軍は3万2000人。アフガンでのテロ掃討作戦で米軍は最も多い時期には10万人が駐留していた。14年末以降、米軍がアフガンに駐留するには地位や任務を定めた安全保障協定の締結が必要。アフガンのカルザイ大統領は協定への署名を拒否し、締結が遅れている。
オバマ氏は6月中旬に予定するアフガン大統領選の決選投票の候補者がいずれも締結に前向きで「署名を得ることができるだろう」と述べた。残留する米軍はアフガン部隊の訓練とアルカイダの残党掃討作戦の支援が任務となる。オバマ氏は27日にカルザイ氏に電話し、こうした考えを伝えた。
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