2014-06-07
イノベーションを教えることができるのか?
日本の電機産業が傾いてきて、役所、学会などいろいろなところで「イノベーションをどうやって起こすのか?」「イノベーションを起こす人材をどうやって育てるのか?」という議論がはやっています。
それ自体が全く意味がないとは言わないけれど、そういった議論の中から新しいことが生まれた例は見たことないし、それを見て影響を受けた学生や若い人が新しいチャレンジを始めた、という話も聞きません。
日本の電機メーカーの問題点を正確に並べ立てて、必要なことを列挙したり、「イノベーションを促進する」制度を作っても、人材が育つようにも感じません。
こんなことを言ってしまうと見もふたもないし、自分が日経テクノロジーに書いているコラムも何の意味もないのでは、と言う気もしてきます。
大学などの教育では電子回路の理論など一般的な知識は教えることができますが、新しい価値を生み出す方法など、教えることはできないのでしょう。
もし確たる方法がわかっていたら、既に誰かがやってしまって、すぐに陳腐化してしまいますから。
どうも最近の風潮は変だよな・・・と思っていたところ、建築家の隈研吾さんの著書「建築家、走る」を読んで腑に落ちました。
隈さんの師匠は東大教授でもあった建築家の原広司さん。
原さんの教えは、「建築家になりたければ、建築家の近くに居ろ」
創造的な仕事など千差万別で時々刻々変わるもの。広く知れ渡ってしまったら、もう新しくない。
知識を身に付けることは基礎として大事だけど、それだけで新しいことができるようになるわけではない。
結局、「イノベーションを起こす若者をどうやったら育てられるのか」などと議論している暇があったら、自分でやってみるべきなのでしょう。
自分が新しいことをできなくて、若い人に教えられるはずがない。
自分が新しいチャレンジをしている姿を側で見ている人の中から、新しいことに挑戦する人材が出てくれば良いのです。
問題を詳細に評論している暇があったら行動しろ、というのが今の日本では一番必要なのかもしれませんね。
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