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何も実体がないのに「朝鮮人強制連行」という言葉をつくる。「強制連行」という語が喚起する奴隷狩りのイメージに合わせて「小説」が創作される。小説を事実にするために、ついには強制連行の被害者とされた慰安婦本人を登場させる。慰安婦問題を利用した反日工作は、時間とともにますます大仕掛けになっていった。
だが、最初にカミング・アウトした女性は、14歳の時、母親に40円でキーセンに売られて、その道に入った女性だった。国家による強制連行の影はどこにもない。日本国内では「強制連行」説は信用を失った。
しかし、同じ時期に国際社会では別の言葉を使った反日宣伝が猛威を振るい始めた。「慰安婦=性奴隷」説である。誰が「性奴隷」などという言葉を言い出したのか。驚くなかれ、これもまた戸塚悦朗氏という日本人弁護士なのだ。同氏は自著『日本が知らない戦争犯罪』の中でこう書いている。
《筆者は1992年2月、国連人権委員会で「慰安婦」を「性奴隷」(sex slaves)と表現した。以後、NGOは、国連で「性奴隷」を「慰安婦」の代名詞として使ってきた》
言葉をつくっただけではない。それをもっともらしく見せるために、スリランカの女性活動家、クマラスワミ女史に調査報告書を書かせるよう、国連に働きかけたという。女史は16人の元慰安婦の女性に面会し、裏付けも取らずに証言を記録した(クマラスワミ報告)。次は、チョン・オクスン氏という北朝鮮出身の女性の証言だ。