ノルマンディー70年:ドイツ、式典に出席拒否の歴史
毎日新聞 2014年06月06日 21時15分
【ベルリン篠田航一】ノルマンディー上陸作戦70周年記念式典には、連合国の当時の敵国だったドイツのメルケル首相も参加した。欧州統合が進む中、既に70年目を迎えた今年の式典では、出席の是非を巡る議論はドイツ国内で起きていないが、過去には招待を断った歴史もある。
ドイツは1984年の40周年式典に初めて招待されたが、当時のコール西独首相は「多くのドイツ兵が命を落とした戦場で、他国が勝利を祝う式典を、ドイツの首相が祝う理由はない」と述べ、出席を拒否した。ノルマンディーで負傷し、後に戦死した兄への思いもあったと推測されている。94年の50周年式典もコール氏は参加を見送った。
ドイツの首相が初めて出席したのは2004年の60周年式典。当時のシュレーダー首相は「私たちドイツ人は誰が戦争を起こしたか知っている。その歴史を前に、責任を自覚して受け止める」と出席の理由を語った。
今年の式典では、戦後に友情を育んだ独仏の2人の元兵士が、メルケル首相、オランド仏大統領と会談した。