九州大の小江誠司教授(生物無機化学)の研究グループが、細菌の酵素を触媒に使った燃料電池を開発、燃料の水素から電子を取り出す能力が、一般的に使われる白金(プラチナ)触媒の637倍に達した。電池の構造上、全ての電子が発電に使われないが、発電力は白金の1・8倍。白金を超える発電力の実現は世界初という。
燃料電池は水素と酸素を使い、触媒で化学反応させて発電する。白金は1グラム約5千円と高価だが、酵素は半額以下のため高性能・低価格の燃料電池が可能となる。実用化できれば「究極のエコカー」とされる燃料電池車普及の切り札になりそうだ。