UXコンサルティングやソフトウェア開発を行なっているMacadamian Technologies に協力して、「A UX Maturity Model for Companies Seeking Competitive Advantage」という資料を翻訳しました。組織におけるUXデザインの成熟度モデルについて解説されており、UXデザイン担当 バイスプレジデントであるスコット・プルース(Scott Plewes)氏が執筆しています。内容は10ページ程度であり、5つのステージに渡るフレームワークが示されています。
以下に、各ステージの序文を紹介します。
ステージ1:啓発されてない
このステージにおいて、組織のUXデザインの考えといえば、単なるビジュアルデザインとして捉えているでしょう。デザインは、プロダクトの機能性の上に「階層化された」要素として認識されています。ソフトウェアにおいてそれは、一般的にコーディングの最後の方を意味しています。組織内には、UXデザインの専門家である従業員またはコンサルタントのどちらも存在していません。
ステージ2:目覚め
このステージの組織は、UXデザインを考慮して改善する方向に進むかもしれませんが、わずかな仕組み化にとどまっています。実際には、UXデザインの本質について重大な誤解があるでしょう。通常、組織内にUXの専門家はおらず、外部の「指導者」を引き入れるか、限られた時間で助言を聞いています。UXデザインの改善、またはプロダクトデザインの際に得られる知見は、最終製品の中で断片的に活かされるだけです。
ステージ3:啓発されている
初期段階では自らの足でつまずくことがありますが、気品としなやかさを得る機会になるかもしれません。このステージの組織は、基本的に次のように振る舞います。いくつかのプロジェクトで、「正しい」または最低限のUXデザインをしています。デザインの価値が、経営陣の間で認められ始めており(彼ら自身にUXの知識は少ないかもしれないが)、専門家の雇用や業務委託に投資されています。競争的差別化としてUXデザインを捉えようとしていますが、このステージでは方向性を誤って古いプロダクトデザインの慣習に「退行」し、行き詰まる危険性が高いです。
ステージ4:定着している
このステージの組織は、UXデザインの成熟度として優秀であり、プロダクトにおけるUXデザインの「目的と手段」を基本として動いています。彼らは、UX改善における微妙な違いやより詳細について関心を持っています。UXの目標は、組織のマインドセットとプロセスでの役割として組み込まれています。
ステージ5:素晴らしい
あなたの組織が、UXデザイン原則の戦略的な導入によって「素晴らしい」姿であるとき、UXデザインはカスタマーエクスペリエンスのすべての側面に統合されます。プロダクトエクスペリエンスが、様々なタッチポイントを横断してデザインされるという考え方と同様です(UXデザイナーだけでなく、異なる専門性や役割を持っていた人が導入できるようになる)。
Thank you, Scott Plewes and Macadamians.
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デジタルエージェンシーのWebアナリスト。ビジネス戦略に沿ったKPI設計、マーケティング施策、サイト改善を実践している。UXとWeb Analyticsを融合または分解することによって、快適なデジタル環境の構築を目指す研究室「UXAnalytics Lab」運営。Google Analytics IQ、WACA公認 上級ウェブ解析士、芸術工学修士(九州大学)。