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2014-06-05

OpenSSLの脆弱性CCS Injection(CVE-2014-0224)の攻撃が行われる恐れがあるパターンをマトリックス化してみた。

| 23:28 |  OpenSSLの脆弱性CCS Injection(CVE-2014-0224)の攻撃が行われる恐れがあるパターンをマトリックス化してみた。を含むブックマーク

lepidum社の菊池氏がOpenSSLの実装に脆弱性があることを発見しました。この脆弱性はChangeCipherSpecメッセージの処理に欠陥があるもので、悪用された場合に暗号通信の情報が漏えいする可能性があると同社公開情報では説明されています。

lepidum社 公開情報

影響を受けるOpenSSLのバージョン

どのバージョンが影響を受けますか?

以下のバージョンにバグが存在する。

1.0.1から1.0.1g

1.0.0から1.0.0l

0.9.8y以前の全て

http://ccsinjection.lepidum.co.jp/ja.html

脆弱性識別番号

注意喚起・脆弱性関連情報

Coqについて

攻撃が行われる恐れがあるパターン

lepidum社の公開情報では次のように説明がされています。

どのような攻撃が行われる恐れがありますか?

クライアントサーバがともにバグが存在するバージョンで、サーバがバージョン1.0.1以降の場合に、通信の盗聴・改ざんを行う攻撃が行われる恐れがあります。 サーバだけがバグの存在するバージョンの場合は、クライアントの偽装を行う攻撃が行われる恐れがあります。

http://ccsinjection.lepidum.co.jp/ja.html

これをマトリックスに起こしてみました。間違っていたらご指摘頂けると嬉しいです。

f:id:Kango:20140605233319p:image

なお、サーバークライアントいずれかがOpenSSL以外の製品であった場合にどのような影響を受けるかについては不明です。

気になる点:「クライアントの偽装を行う攻撃が行われる恐れ」=認証済セッションのハイジャック?

北河さんに教えていただいたのですが、CCS Injectionのリスクについて英語版の説明は次の通りとなっています。(日本語版の「クライアントの偽装を行う攻撃が行われる恐れ」に該当すると思われる箇所を赤字としました。)中間者攻撃が行われている状況でサーバーにCCS Injectionの脆弱性が残っていればクライアント脆弱性有無に関係なく認証済のセッションをのっとることが可能と読めます。レピダム社公開情報では詳細は明らかとはなっていません。

Q. What are the risks?

A. Attackers can eavesdrop and make falsifications on your communication when both of a server and a client are vulnerable, and the OpenSSL version of the server is 1.0.1 or higher. Attackers can hijack the authenticated session, if the server is vulnerable (even if the client is not vulnerable).

http://ccsinjection.lepidum.co.jp/

6/6の#mozaicfmでCCS Injectionの報告者の方々を招いてポッドキャスト収録を予定されており、北河さんがこの記載について質問されています。

CVE-2014-0224 チェックツールと思われるコード

CCS Injectionの脆弱性が存在するか確認するツールと思われるコードがGitで公開されています。piyokangoは未検証です。また、特別事情がない限りはインストールしたバージョンの確認を行えばよいと思います。

対象公開先piyokango検証
クライアント向けccsinjection_server.c検証
サーバー向けccsinjection.c検証

タイムライン(一部)

日付出来事
2014年4月22日lepidum社がJPCERT/CCOpenSSL脆弱性の報告。
2014年5月1日JPCERT/CCOpenSSL Securityへ初回の連絡。
2014年5月2日JPCERT/CCOpenSSL Securityへ詳細なレポートと再現方法を送付。
2014年5月9日OpenSSL脆弱性を確認し、CVE-2014-0224を採番。
2014年5月13日OpenSSLが報告者と更新パッチやその他技術的な詳細について共有するため直接連絡。
2014年6月5日lepidum社がOpenSSL脆弱性 CCS Injectionに関する情報を公開。

関連情報

謝辞

  • @110_ さんよりチェックツールと思われる情報をいただきました。ありがとうございます。
  • @yng_hrさんより攻撃を受ける恐れのパターンで「その他のケース」の可能性についてご指摘いただきました。ありがとうございます。
  • @kitagawa_takujiさんより、英語版「クライアント偽装の攻撃が行われる恐れ」について情報をいただきました。ありがとうございます。

更新履歴

  • 2014/06/05 PM 新規作成
  • 2014/06/06 AM タイムラインとチェックツールと思われる情報を追記。
  • 2014/06/06 PM 脆弱性関連情報を追記。
  • 2014/06/06 PM 注意喚起などの最新情報を反映。「クライアントの偽装を行う攻撃が行われる恐れ」気になる点について追記。