二酸化炭素:1億トン埋設計画…月内に候補地調査
毎日新聞 2014年06月06日 15時30分
地球温暖化対策として、発電所や工場から排出された二酸化炭素(CO2)を回収し地中に封じ込める技術の実用化を目指し、経済産業省と環境省が月内にも候補地調査に着手することが分かった。2020年をめどに場所を選定し、封入規模は年500万トン程度、計1億トン以上とする計画で、世界最大級になる見通し。
この技術は「CCS」と呼ばれ、地中や海底下に高温・高圧で気体と液体の間の状態にしたCO2を注入する。国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」は、適切に管理すれば1000年以上の封じ込めが可能とする。CO2の排出削減が進まない中、温暖化対策の切り札とされる。
経産省は03〜05年、新潟県長岡市でCO2約1万トンを試験的に埋めた。12年度からは製油所の排ガスを使った国内初の実証試験を北海道苫小牧市で開始。16年度から地下1100〜3000メートルの層に年10万トン以上を注入する予定だ。
今回の計画は規模が大きいため、陸地だけでなく周辺海域も含めて調査する。音波やボーリングでCO2の漏れや地震の影響がない層を探り、石炭火力発電所などから排出されたCO2を数十年かけて封入する。経産省は「現状で温暖化対策にCCSは欠かせない」とし、候補地調査を担う事業者を公募する。
CO2の漏れなど環境影響への懸念もあり、経産省などは、実証試験の結果も踏まえて段階的に規模を拡大し、本格実施を目指す。
政府は4月に閣議決定した国のエネルギー基本計画で「20年ごろのCCS技術の実用化」を目標に掲げた。環境省は09年の主要国首脳会議(サミット)などで合意した「50年までに世界の温室効果ガス排出量を半減させ、先進国は80%削減する」との目標達成には、日本で年2億トンの貯留が必要と試算している。【千葉紀和】
◇CCS◇
二酸化炭素回収貯留(CarbondioxideCaptureandStorage)の略。発電所などの排ガスから、化学反応などをさせてCO2を分離・回収し、地中や海底下の隙間(すきま)の多い帯水層と呼ばれる地層に注入する。地層の水に溶け込み、鉱物と反応して沈殿するとされ、帯水層を覆う不透水層が「ふた」の役割を果たす。