福岡県内の小学校で昨冬、人権教育を担当する40代の男性教諭が6年生の授業でハンセン病を取り上げた際、説明がうまく伝わらず、児童が「骨が溶ける病気」などと思い込んでしまっていたことがわかった。別の担任教諭が、こうした内容を書いた児童の感想文を熊本県合志市の国立ハンセン病療養所「菊池恵楓(けいふう)園」に郵送していた。

 福岡県教育委員会は今年4月、「指導が不十分で、児童に誤解を招いた」と園側に謝罪した。

 県教委などによると、男性教諭は昨年11月、6年生の社会科で、ハンセン病への偏見や差別をテーマに授業。自作のスライドで、過去にあった誤った認識として、「風邪と一緒で、菌によってうつる。手足の指とか身体が少しずつとけていく」などとされていたと紹介した。そこから認識が間違っていることや差別について考える授業を展開しようとしていたという。