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【サッカー】

大久保出撃 トップ下先発も きょうキプロス戦

2014年5月27日 紙面から

キプロス戦に向けた練習で軽快な動きを見せる長友(右)と大久保=埼玉スタジアムで(佐藤哲紀撮影)

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 ワールドカップ(W杯)ブラジル大会に臨む日本代表は27日午後7時半から、埼玉スタジアムで壮行試合を兼ねたキリン・チャレンジカップでキプロス代表を迎え撃つ。約2年3カ月ぶりにサプライズ選出されたFW大久保嘉人(31)=川崎=がトップ下で先発出場が濃厚。昨季J1得点王がW杯出陣式で号砲を打ち上げる。日本代表は26日夕、試合会場で最終調整。公開された冒頭15分間では2組に分かれてパスゲームを実施した。

 調整、確認、お披露目…。FIFAランク130位のキプロスを相手に結果を度外視する声がそこかしこで上がるなかで、この男だけは目の色が違っていた。「入ったばかりで一からという気持ちはない。これで最後、W杯で最後ですから。オレだけ連係が遅れているから、そこを本番までにきっちり合わせていく」。チームの仕上げ段階で加入した大久保にとっては、ただの壮行試合ではない。適応を示し、W杯のピッチに立つための重要な試金石だ。

 一貫してトップ下を務めた指宿での1次キャンプ5日間で、急速にチームに溶け込んだ自信がある。だからこそ、連係に気を取られて自らを埋没させることはしない。「個性、出しますよ。そうしないと消えますから。自分でたくさんボールを触って」。所属の川崎と同じようにボールを自分に集めることで、全体のリズムをつくる。

 そして、もう一つの武器も出し惜しみしない。サッカーバレーなどの軽めの調整だけで終わったこの日の練習の最後、柿谷とともに居残りでミドルシュートの感触を確かめた。「良かったですね。相手は引いてくると思うから、チャンスがあれば狙う」。昨年コツをつかんだという新たな武器は、指宿でも「ボンボン入ってる」と絶好調。ゴール前を固めるキプロスをこじ開ける。

 「若い選手がいっぱいいる中で、30歳を過ぎても選ばれることを誇りに思う。今まで自分を信じてやってきたかいがあった」。結果を出し続けて土壇場でつかんだW杯代表の座。その自負を、国内最終戦で日本中に示す。大久保嘉人、ここにあり−と。 (宮崎厚志)

 

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