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【サッカー】

本田大ブレーキ パスミス連発…FKも失敗

2014年5月28日 紙面から

日本−キプロス 後半、ドリブルで攻め上がる本田=埼玉スタジアムで(沢田将人撮影)

写真

◇キリンチャンレンジカップ2014 日本1−0キプロス

 本田が天を仰いだ。何度も、何度も…。攻撃のイメージは先行しながら、肝心のボールが足につかない。パスミスの山を築き、決定機も決めきれない。終了の笛が鳴ると、まるで敗軍の兵のように本田の表情から色が消えていた。

 前半29分。連動して崩して、柿谷から絶好のお膳立て。フリーの本田は左足で狙った。だが、GKにキャッチされた。あってはいけないミスショットに、本田は頭を抱えた。

 6分後。今度はゴール前右約20メートルのFK。本田は息を整え、無回転で狙った。直後、5万8000人の観衆がどよめいた。ボールは枠に飛ばないどころか、20メートル以上も大きく外れる凡ミスだった。「なぜだ?」。あり得ない失敗に、本田はしばし硬直していた。

 ミス、ミス…。キプロス相手にボールロストを連発した。時間の経過とともに、いつもの熱量もなくなっていった。本田は、本田ではなかった。

 「長い目で見ていただかないと。今日がゴールではない」。ザッケローニ監督はそう気遣い、「彼の家、トップ下でより多くの時間をプレーしないといけないと思っている」と言った。主戦場でのフル出場は、本田への期待と温情だった。

 今年1月。本田は意を決してイタリアへ渡った。念願だったビッグクラブに加わった。ただ、トップ下でのプレー機会は限られ、不慣れな右サイドで適応を求められた。競争に打ち勝てず、フル出場は6試合だけだった。

 イタリアでの公式戦全日程を終え、本田はこう語っていた。

 「何かを起こすことができなくて、つぶされた4カ月半だった。やはり、忍耐力というのは大事なんだな、ということをあらためて感じた」

 W杯での躍進、ブレークを信じて、いまはひたすら耐え忍ぶ−。試合後の取材エリア。本田は「アメリカで」とだけ言葉を残して引き揚げた。本田だけには、明るい未来が見えているのだろうか。 (松岡祐司)

 

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