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ライセンスを嗤う

ライセンスを嗤う

採集ライセンスなる制度が発足したのだという。
これまた、磯採集史上、語り継ぐべき大偉業となるのだろうか?

情報源に確かめてみたが、これがどうもハッキリしない。
どうにか聞き出したところでは、
・採集魚種数によって”ライセンス”が与えられる
というものであるらしい。

以下、把握した範囲でコメントする。

通常”ライセンス”とは、それがあることにより、
なんらかの許可や免除が与えられる制度のことをいう。
運転免許を例にとればわかりやすい。
免許があるから自動車の運転が許される。
JAF等が発行するライセンスを所持するなら、
その定めるところによって、
モータースポーツに参加することが可能になる。

では件の”ライセンス”を所持していると、どうなのか?

たとえばどこそこの磯での採集が許される・・・
といった話かと思いきや、そうではないらしい。
【どれだけ採集したか】の評価だけという、
言ってみれば”格付け制度”というのが正体のようだ。
期待した分、ひどく損したような気分である。

NPOなどの法人あるいは漁協等の組織とは、 いっさい関係ない。
もちろん、
・筆記試験の有無
・有効期間
・発行手数料
・顔写真の要不要
・紛失した際の再発行費用
などの決めもない。

採集ライセンスというからには、
・マナーに反する行為が発覚した場合の取消処分
があってもよさそうだが、それもなし。
せっかくだ。この際、作ってしまったらどうか?
・自分で飼育しない魚を持ち帰る輩は「一発取消」
とでもしたらよかろう。

しかしこれでは、中味のない 単なる自己満足の世界である。
いったい誰が幸せになるというのか?
まさかライセンサーだけが優越感に浸れる制度?
だったら、もう嗤うしかない。

そもそも自然に向き合う姿勢が違う。
想像だが、ライセンスの意味を理解していない者の思いつきにちがいない。
ならば 飲み会ネタでとどめておくべきであった。
人を巻き込んでまで取り組むような事柄では到底ない。

この種の話に、本気で賛同する者などあろうはずもなかろうが、
「採ったドー!採集家」や「お土産大量採集家」ばかりが目につくご時世。
そうとばかりも言えないのが、悲しくもありおそろしい。

磯採集界は、ユルユル度が増すいっぽうである。
近ごろでは、離島という恵まれた環境にいながら、
来島者に採集代行依頼をするという新手のパターンまで現れたという。
依頼する者も、受ける者も、あまりに安易すぎる。
彼らにとって、海もコンビニと同じものでしかないのだろう。

ともかく、小学生のカード集めのノリは、いい加減にしたらどうか。
ご当人らが嗤われようと、後ろ指を指されようと、知ったこっちゃないが、
他が皆そうだと思われるのは、まっぴらである。


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