デジタルコンテンツのサービス停止では、主に3点が問題になる。
みつぶち・けいじ 米サンフランシスコ大卒、スタンフォード大学院で修士。オムロンやウェブ系ベンチャー企業設立を経て04年より現職。
(1)特定の機器やフォーマットに依存する仕組みは、サポート中止後にデジタルコンテンツが再生できなくなる。
(2)クラウド依存でコンテンツを管理・認証する仕組みでも、サービス停止後は購入したコンテンツが利用できなくなる。
(3)ウェアラブル端末などの専用デバイスでクラウドやウェブに連動していても、サービス停止で機器が利用不能になる。
(1)の対策としては世界標準のフォーマットを使い、ウェブアプリやモバイルアプリなどで使える端末に依存しないサービス展開が必要になる。カナダでかつてコボが優勢だったのはウェブやモバイル端末で閲覧できたからだ。その後、米アマゾン・ドット・コムの電子書籍「キンドル」がコボと同じ仕様にすると、追い抜かれた。つまり囲い込み戦略はユーザーに浸透しにくいのが現実だ。
(2)の対策では、クラウドを十二分に活用できるよう利用者の増大に対応可能な設計と戦略が必要だ。例えば米ピンタレスト。ユーザーが画像をアップするのではなく、ウェブ上の画像リンクを集めてくるコンセプトで急成長した。クラウド上のストレージを活用し、低コストで長期的に維持できる設計が必要になる。
(3)については、グーグルグラスのように開発環境(SDK)を公開し、サービス自体は各企業の責任で運用させることでコンテンツ運用のリスクを分散することだ。
特定の企業が専用端末からフォーマット、流通、販売など全てを抱えるのは、市場を席巻できればいいが、利用者が思うように伸びなければサービスを続けられない。できる限り世界標準をベースに、継続可能なサービスを提供する設計が重要になる。
(デジタルハリウッド大学教授)
[日経MJ2014年6月6日付]
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