「STAP論文撤回も理研は疑義の調査を」6月4日 22時17分
世界的な注目を集めたSTAP細胞の論文は、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが取り下げに同意し、その研究成果は白紙に戻ることになりました。
その一方で、STAP細胞は存在していなかったのではないかという疑問を抱かせる新たな疑義が次々と明らかになっていて、専門家は「論文を取り下げてもSTAP細胞が本当にできていたのか、理化学研究所は明らかにする責任がある」と指摘しています。
体のさまざまな組織になる新型万能細胞の作製に成功したとして、世界的に注目を集めたSTAP細胞の2本の論文は、理化学研究所の小保方晴子研究ユニットリーダーが3日までに2本とも取り下げに同意し、その研究成果は白紙に戻ることになりました。
しかし、STAP細胞が存在していたのかどうかについては、培養してできた細胞が実験に使っていないはずの別の2種類のマウスの細胞であった疑いが強いことや、この2種類の細胞の働きが、それぞれ万能細胞のひとつES細胞と胎盤になるTS細胞に似ていることが分かるなど、STAP細胞の存在に強い疑問を抱かせる新たな疑義が次々と明らかになっています。
これについて理化学研究所は、これまで論文が取り下げられれば、新たな調査を行うつもりはないと話していて、専門家の間からは真相を明らかにすべきだとする強い批判の声が上がっています。
日本分子生物学会副理事長で九州大学の中山敬一教授は、「日本の科学研究への信頼が揺らいでいるなか、国の代表的な研究機関である理化学研究所が疑義を放置することは許されない。論文を取り下げても、STAP細胞が本当にできていたのか、理化学研究所は明らかにする責任があり、すべての疑義を調査して公表すべきだ」と話しています。
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