恋愛シュミレーションゲームは一人プレイが基本……複数でワイワイやったらアホA
凝縮した霧の中央に、怒る妖貴妃の顔が浮かぶ。
「こうなったら! おまえたちの誰かに乗り移ってやる!」
自暴自棄で向かってきた残留思念に向かって、アイアンレディのパーツを装着した白亜の、アームパーツから、お札がついた金属製の投網が残留思念に向けて発射された。
投網に捕らえられ、神殿の床に転がった妖貴妃に向かって、裸族人類と裸女たちは一斉に、タコ殴りならぬタコ踏みを浴びせる。
「それっ! みんなで踏みつけろ!!」
「うぎゃあぁぁッ!!」
鋼鉄女王がペットボトルに入っている聖水を、妖貴妃に振りかけると妖貴妃は白煙を出しながら絶叫した。
「ぎょえぇぇぇ!!」
「やっぱり、コイツ悪霊だ」
妖貴妃の残留思念は、鋼鉄女王の悪霊確定を必死に否定する。
「ちがうーーーう!! あたしは悪霊じゃなーーーい!!」
黒い霧が離脱した18・5号がその場に倒れ、弟の17・7号が介抱する。
やがて、意識を取りもどした18・5号が目を開ける。
「ぅう〜ん……17・7号?」
「もう大丈夫だよ、姉さん……悪霊は退治されたから」
18・5号は、タコ蹴りされている投網の中の残留思念を眺めた。
「ずっと、あの邪悪な存在に憑かれていたの……最終的には、あたしが意識下で強く抵抗したから、肉体の自由を奪われて……声が出せない状態に」
「だから、筆談していたのか……もう大丈夫だよ、悪霊は離れたから。脱いで姉さん、ボクたちは人間を越えた人造人間なんだから……完成されたボディーを衣服で隠すなんて、もったいないよ」
「う、うんっ」
よくわからない理屈で説得された18・5号は立ち上がると、着ているモノを脱いで裸になった。
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