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【大リーグ】

ア新人王争いでマーに新ライバル出現 アストロズのスプリンガー、球団新人初の5月9発

2014年5月30日 紙面から

 ア・リーグの新人王争いで、マーに新たなライバルが出現した。アストロズのジョージ・スプリンガー外野手(24)は28日(日本時間29日)、敵地カンザスシティーでのロイヤルズ戦で1回に9号2ラン。「6戦6発」は球団新人初で、「5月9発」も球団の月間新人最多記録となった。同日の米スポーツサイト「ブリーチャーリポート」は「スプリンガーがア・リーグのし烈な新人王レースに参入」と報道。ヤンキースの田中将大投手(25)とホワイトソックスのホセ・アブレイユ一塁手(27)の一騎打ちとみられていた争いに割って入ったと伝えた。

 一振りで、あらためて新人王の有力候補だと見せつけた。ロイヤルズ戦の1回無死一塁。スプリンガーが外角カットボールを強振すると、打球は高い放物線こそ描いたが、平凡な「こすった外野フライ」と思われた。だが、中堅ダイソンはじりじりと下がり、425フィート(約130メートル)の左中間フェンスに背を付ける。ジャンプ一番、捕球を試みるが、白球はその上を越えていった。

 「好調持続だね。打つべき球を打っているのが素晴らしい」。ポーター監督が目を細めたアーチは球団新人初の「6戦6発」。「5月9発」も、1985年9月のグレン・デービス(8発)を抜く球団の月間新人最多記録となった。

 爆発の始まりは21日のエンゼルス戦で4号ソロを放ってからだった。右股関節の屈筋を痛めて2試合を欠場後、24日のマリナーズ戦は1試合2発、25日は岩隈の外角スライダーを逆転7号2ラン。26日のロイヤルズ戦は、球団新人初の「4戦連発」もマークした。

 当然、評価もうなぎ上りだ。「スプリンガーがア・リーグのし烈な新人王レースに参入」とブリーチャーリポート。4月18日のメジャー初昇格後、三振が多いなど粗さが指摘されたが、同サイトは「デビュー27試合は三振率37%、それ以降の10試合は12・8%。また、四球率はデビューから24試合は5・8%、それ以降は19・4%」と確かな成長を認めた。

 また、新人王のライバルに田中将とアブレイユを挙げた上で「2003年ヤンキースの松井秀喜が新人王を逃したように、両選手とも『新人ではない』と判断する面々もいる」とスプリンガーの有利さを説いた。

 スプリンガーは幼少時から吃音(きつおん)に悩んでいたという。「でも、瞳の色と同じように『そこにあるものだから』と受け入れるようになった。自分は吃音だけの人間じゃないから、人に隠そうともしなかった。受け入れられるようになったら、気にならなくなったよ」。高校1年時は友人からマリフアナを吸うよう強制された。拒否すると脅迫を受け、転校による落第を余儀なくされたこともあるとか。

 24歳にしていくつもの剣が峰を乗り越えてきたスラッガー。田中将らとのし烈な新人王レースでも簡単には音を上げないはずだ。

 

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