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【大リーグ】

田中将、ヤ軍初の新人投手月間MVP 日本人ルーキーでは野茂以来

2014年6月5日 紙面から

 【ニューヨーク穐村賢】マー、まず1冠!! 大リーグは3日(日本時間4日)、5月の月間MVPを発表し、ヤンキースの田中将大投手(25)が投手部門で初受賞した。ヤ軍の新人投手では初の快挙で、日本人の新人では、1995年6月の野茂英雄(当時ドジャース)以来2人目。5月の田中将は6試合で43イニングを投げ、リーグトップタイの5勝(1敗)を挙げるなど防御率1・88、42奪三振をマークした。新人離れした活躍に、米メディアは新人王はおろか、サイ・ヤング賞やリーグMVPを獲得する可能性まで報じるお祭り騒ぎとなっている。

 「球界の盟主」を自認する名門球団でも、初の快挙だった。月間MVPが制定された1979年以降、ヤ軍の新人投手で初めて同賞に輝いた田中将は、会見で素直に驚きを表した。「うれしい。自分自身で選ばれるとも思っていなかったし、他にも投手がたくさんいるので、本当に聞いたときは『あっ、取れたんだ』という感じだった」

 日本人ルーキーでは、95年6月の野茂英雄(当時ドジャース、写真=AP)以来19年ぶり2人目。新人以外の投手でも、野茂が96年9月にもう一度受賞し、98年5月、99年7月に伊良部秀輝(当時ヤンキース)が受賞しただけだ。日本人野手でも、2004年8月のイチロー(当時マリナーズ、現ヤ軍)と、07年7月の松井秀喜(当時ヤ軍)のみで、ダルビッシュもいまだ獲得していない。

 これまで公式戦に出場した日本人大リーガーが53人いる中で、5人目の戴冠。田中将は「なかなか取ることが難しい賞だと思うが、これから何回も取れるように、そういう投球を繰り返し続けていけるように頑張りたい」と意気込みを語った。

 米メディアの報道も、話が大きくなるばかり。米誌スポーツイラストレーテッド(電子版)は「新人王の最右翼というだけでなく、サイ・ヤング賞を獲得する可能性もある」と、日本人が手にしたことがない投手最高の栄誉を示唆。さらに「タナカをリーグMVP候補として検証する」と見出しを打ったのは球団地元紙NYポスト(同)だ。

 「MVPが『最も価値がある選手』という意味では、タナカ抜きのヤ軍にプレーオフ進出の目はない」と同紙は存在感の大きさを強調。「ヤ軍先発陣の投球回はメジャー(30球団中)24位だが、タナカの平均7イニング1/3はリーグトップ。7回以降に38アウトを取っているのに対し、他の先発陣全員で取ったのは同26アウトのみ。監督はタナカの登板の前日と翌日は、大胆に救援陣を起用できる」と分析した。

 ここ45年間で、投手でリーグMVPの称号を得たのは6人のみ。目指すにはあまりにも高い山だが、5日の次回登板でリーグ最高勝率のアスレチックスをねじ伏せれば、単なる夢物語ではなくなるかもしれない。

 

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