今季初勝利を挙げ、ファンとタッチを交わす巨人・小山=東京ドーム
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◇巨人2−0日本ハム
巨人の小山が2季ぶりの勝利を挙げた。今季初登板で先発し、勢いのある速球で7イニング1/3を2安打無失点に抑えた。打線は4回に阿部の二塁打で先制し、8回は内野ゴロで1点を加えた。日本ハムは打線がメンドーサを援護できなかった。
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頼もしい孝行息子が現れた。巨人の先発・小山の勢いは最後まで衰えなかった。今季初登板を前に川口投手総合コーチから「一人ひとりを全力で抑えていこう」と激励されると、直球を中心に攻めの投球を貫き、7イニング1/3を2安打の無失点。2012年9月11日の広島戦(東京ドーム)以来、2年ぶりの白星をもぎ取った。
「昨年は勝てなかったので、勝てて本当によかったです」。勝利の味を感慨深げにかみしめた小山。1人で成し遂げたとは思っていない。「阿部さんが声をかけてくれたり、うまくリードをしてくれました」。チームメートへの感謝も忘れなかった。
苦い記憶を糧にした。今季は若手成長株と期待されたが、キャンプでは不調続き。2月25日の韓国・サムスンとの練習試合(那覇)では球を置きにいって3イニング3失点と乱れ、激怒した原監督から試合中に2軍降格を命じられた。これで目が覚めた右腕。逃げないことの大切さに気が付いた。
「落ちたその日から前を向いてやろうと思いました」。2軍練習ではシュートやカットボールの習得に力を入れ、イースタン・リーグの試合で4勝をマーク。声が掛かる日を待った。そして、巡ってきた大チャンス。最後まで逃げることなく、先発としての役割を見事にまっとうした。
原監督も大満足。「きょうは彼の勝利。やればできると大きな自信を持ってくれれば」と合格点を与えた。小山も「この投球を続けていきたい」。目指すは先発ローテ定着。次回登板でもチームを勝利へ導く決意だ。 (川越亮太)
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