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【プロ野球】

藤浪変身、ノーワインドアップへ

2014年5月28日 紙面から

◇阪神2−0ロッテ

 阪神の藤浪が8イニング無失点の力投で約1カ月ぶりの3勝目。直球に力があり、散発3安打に抑えた。打線は4回にゴメスの二塁打と福留の犠飛で2得点。ロッテは涌井が8イニング2失点と粘ったが、連勝が6で止まり、勝率5割に逆戻りした。

     ◇

 マイクを握り、声を張り上げた。「これからも必死のパッチで頑張ります」。今年初のお立ち台で、お決まりのフレーズ。苦悩の日々を乗り越えた藤浪が、ようやく心の底から笑った。

 左足を引き、フーッと息をつく。それからゆったりと左足を上げ、体に巻き付けるように右腕をしならせた。先発ローテ生き残りへ、導き出した答えは、セットポジションからノーワインドアップへの変更だった。

 「この前、セットで良くなかったので自分のフィーリングというか、勢いとリズムをつくる意味でもノーワインドアップでいこうと思いました」

 序盤は1軍自己最速タイの155キロ直球を軸に力でねじ伏せた。中盤以降は緩い変化球を織り交ぜて、ストライク先行の投球。球数が100球に達した2点リードの7回は、2死二、三塁から代打・ブラゼル。「ここ一番の勝負どころで三振を取るのは自分の持ち味でもある」。150キロ超えの直球で3球勝負。最後は高めのつり球でハーフスイングさせた。

 前回20日のオリックス戦はプロ最短2イニング6失点でKO。試合後、中西投手コーチから「最後通告」を突きつけられ、この1週間は休みなしで投球フォームを再チェック。練習では入念にキャッチボールを繰り返し自分の感覚を呼び起こした。

 「落とされたらそこまで。それくらい情けないピッチングが続いていたので」

 能見をはじめ周囲からは「思い切っていけ」と、中西コーチからは「そんな簡単に(2軍に)逃がさんぞ」と声をかけられた。崖っぷちの立場もプロ初のスライド登板も、自分の力で乗り越えるしかなかった。

 8イニング3安打無失点で3勝目。プロ初完封はお預けになったが「次の登板以降、完封を目指せるように頑張りたいです」と約束した。 (杉原史恭)

 

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