◇西武13−2阪神
西武が19安打13点で大勝。5回に秋山の適時二塁打と栗山の適時打で同点。6回には炭谷、金子侑の連続適時三塁打などで3点を勝ち越し。8回の5点など着実に加点。菊池が6イニング2失点で2勝目。阪神は3位転落。鶴は今季初黒星。
5年ぶりに立った甲子園のマウンドで、西武の菊池が勝利をつかんだ。6イニングを6安打の2失点。127球の粘投で4月19日のオリックス戦(西武ドーム)以来の今季2勝目だ。「四球も多いし、反省点は多々ある。それでも、野球選手として甲子園で投げられることは幸せ」と汗を拭った。
初回にいきなり2点を失ったものの、持ちこたえた。5回2死一塁では4番・ゴメスをチェンジアップで空振り三振。6回は連打と四球などで2死満塁のピンチを招いたが、上本を中飛に仕留めて、思わずグラブをポンとたたいた。「粘り強く投げられたことは、次につながるはず」と前を見据える。伊原監督も「よく踏ん張った。もっとこれから良くなる」とうなずいた。
2009年春のセンバツ。「みんなが支えてくれたのに、負けたら岩手に帰れない」と、岩手・花巻東高のエースとして強い決意で臨み、準優勝した。その夏の甲子園では4強入り。150キロ台の直球を連発して世間の注目を浴びる中、ケガもあったが「自分を成長させてくれた」大切な場所だ。
ジレンマもある。「いつも高校時代が枕詞(まくらことば)につきまとう。5年も経過している。そろそろ西武ライオンズの『菊池』として結果を出さないといけない」。今はもうプロの菊池。“聖地”で手にした白星を、完全復活への追い風に変える。 (山田孝人)
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